山形県立点字図書館

目次
お知らせコーナー
便利グッズのご紹介
点字図書館ボランティア表彰受賞者のご紹介
みんなの広場
館長室から
職員のフリートーク
<図書紹介>
デイジー図書(CD)
点字図書
テキストデイジー図書
編集後記

 

お知らせコーナー

*年末年始の休館について

点字図書館は12月29日(金)から1月3日(水)まで年末年始のお休みをいただきます。休み明けは貸出しが集中することが予想されます。なるべく早くお手元に届くようにいたしますが、お待ちいただく場合もございます。ご了承ください。来年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

*「これから出る本」休刊のお知らせ

日本書籍出版協会会員社の近刊図書情報誌「これから出る本」が、2023年12月下期号をもって休刊となりました。あわせて、デイジー版の製作を終了いたします。長い間ご利用ありがとうございました。

 

*点字カレンダーを差し上げます。

豊橋ともしび会が作成した2024年の点字カレンダーを差し上げます。ご希望の方は、先着順ですのでお早めに点字図書館にご連絡ください。

 

*図書館だよりにナビレンスのアクセシブルQRコードがついています。

10月号の表紙から、図書館だよりのページにアクセスできる、ナビレンスのアクセシブルQRコードがつきましたが、もちろん今月号にもついています(墨字版の表紙の右下墨と、この案内原稿の下部にもあります。デイジー版、点字版、テキスト版等をご利用で、コードをご要望の方は点字図書館までご連絡くださいませ。)ぜひ、ナビレンスアプリでお試しください(QRコードのスキャナーでも読取できます)。
先日、利用者の方から、さっそくiPhoneでこのコードを読み取り、ヴォイスオーヴァー機能を使って図書館だよりを聞いている、なんていううれしいコメントをいただきました。皆さまもぜひお試しくださいませ。

ナビレンスアクセシブルQRコード

 

*日本盲導犬協会 スマイルワン仙台からのお知らせ

●盲導犬情報セミナー開催
2023年度もオンラインによる盲導犬情報セミナーを開催しています。盲導犬との歩行や生活、盲導犬に関する法律や取得までの流れについて、実際に盲導犬と暮らしているユーザーの体験談も交えながらのセミナーです。
【開催日】
2024年2月24日(土)
【開催時間】
14時から15時半
【ツール】
ZOOM(パソコン、スマホ、ガラケー、固定電話からも参加できます)
ご希望のかたには事前にZOOMの使いかたの講習を行います。ご相談ください。
【対象】
見えない・見えにくいかた およびそのご家族、医療・福祉・教育関係者
【費用】 無料
【申し込み方法】
メール info@moudouken.net 宛に、件名「盲導犬情報セミナー参加希望」と記載の上、お名前、居住地(都道府県)、年齢、メールアドレス、ZOOM使用経験の有無、ZOOMサポート希望の有無を記載ください。ZOOMのサポートを希望のかたは、使用する機器の種類、電話番号もお知らせください。メールでの申し込みが難しい場合はお電話ください。
【締め切り】
開催日の2週間前
問合せ、ご相談は・・・
公益財団法人 日本盲導犬協会 スマイルワン仙台 視覚障害サポート部
〒982-0263 仙台市青葉区茂庭字松倉12-2
TEL:022-226-3910 FAX:022-226-3990

 

 

便利グッズのご紹介

いつもは、グッズの紹介をしてるこのコーナーですが、今回はYouTubeチャンネルのご紹介です。
日本ライトハウス情報文化センター職員の松本一寛さんのYouTube「ニポラチャンネル」をご存知ですか?
松本さんは、パソコン、スマートフォンなどのICT機器に精通しており、全国的にも講演会や研修会での講師としてご活躍中です。そんな松本さんが、わかりやすくスマートフォンやアプリ、パソコンやプレクストークまで、それらの操作方法や設定方法を解説してくれるチャンネルが「ニポラチャンネル」です。以下にリンクを貼っておきます。
https://www.youtube.com/@user-ts9sv6wp6m

前回、このコーナーでは、携帯型OCRマルチプレーヤーの「センスプレーヤー」をご紹介しましたが、このチャンネルでも既に紹介されています。デイジー図書を聞く以外にも、様々な機能が利用できるのがセンスプレーヤーの特徴の一つですが、松本さんも様々な機能の使い方の解説をされていて、その一部ICレコーダーとしての使い方を解説したところを、文字起こしにしてご紹介させていただきます(尚表現は一部変えてる箇所がございます)。

ICレコーダーとしての使い方
「録音する時使うのは、左側面の一番上にある録音ボタンです。ここを長く押すと録音が開始するのですが、短く押すと、録音されたデータのリストが表示されます。
(中略)
止めるときは、録音ボタンを短く一回押すと、一時停止の状態になります。再開する時は、録音ボタンを短く押すと再開されます。
(中略)
録音を完全に終了したい場合は、操作ボタンの「OKボタン」を一回押すと録音が止まり、同時に今録音していたデータの再生がはじまります。」

このように解説が続いていきます。わかりやすくって、すぐ使えそうな気がしてきませんか。
第一回目の「iPhoneの基本設定」に始まり、様々なことについて解説してくださっています。こんなチャンネルが無料で見れちゃうんですから、活用しない手はないですよね。ぜひご覧ください!
松本さんはパソコンが得意でなかったそうですが、失明後にらくらくフォンで読み上げ機能が使えることを知ったことをきっかけに、様々なICT機器関連の事にチャレンジしていって、現在の職場に就職して活躍されるようになった、とのことです。そのようなエピソードを聞くと、励まされますね。
この10月に、視覚障害者情報提供施設大会が山形で開催されました。そちらに松本さんも大阪から遠路はるばるいらしてくださり、私もはじめてお会いすることができました。パソコン画面や研修会などで一方的に拝見する雲の上のような存在の方だ、と思っていたのですが・・・松本さんの方から丁寧にごあいさつにいらしてくださり、番組内での語り口同様、礼儀正しく真摯なお人柄がうかがえて・・・礼儀正しくも真摯でもない僕は、大いに見習わねば・・・と反省した次第です。
ICT関係のご相談は、山形県立点字図書館でも承っております。

 

続いては、今年の「日本ライトハウス展」でも、多くの人が関心を寄せていた、という白杖をご紹介いたします。

「キザキケーン」
価格 6,850円(大人用:スタンダード)(非課税)

ウォーキング、スキー、トレッキングなどの様々なポールを製作している、老舗メーカーのキザキが開発した白杖です。
一番の特徴は、ポールメーカーだからこそ実現できるグリップだそうです。盲学校の生徒さんたちにモニターしながら開発した、というそのグリップは、先端が曲がっていて、腕や手に負荷のかからない仕組みになっています。スキーのポールの技術を活用し、手元に重心が来るように設計され、実際の重量よりも軽く感じるそうです。人差し指と親指部分にガイドがあり、そこに指をのせて、安定した握りができるようになっています。
また、キザキケーンの特徴として、シャフトが長さを調整できる伸縮式になっています。カットをしなくてもいいので、使用状況に応じた長さ調整が可能です。いろいろと長さを試すことができるので、自分にベストな長さを、使いながら見つけていくことも可能です。もちろん成長期のお子様の使用にもぴったりです。
全面夜光材が使われています。
直杖の他にも、折りたたみタイプや、ステッキタイプのT型もあります。
以下に、キザキケーンの特徴等を紹介しているページのリンクを貼っています。
https://art-nko.com/kizaki/haku-top/

以上が、キザキケーンのご紹介でした。
図書館だよりをご利用の皆さま、白杖はお持ちですか?
白杖には、周囲の情報を入手する、身の安全を確保する、見えにくいことを周囲に知らせる、などの役割があるので、ぜひ持つことをおすすめします。
白杖には様々な種類があり、購入する際には、長さ、石突(先端)、材質などを決める必要があります(点字図書館にも数種類の見本があります)。
白杖は、補装具費支給制度の対象ですので、購入の際はお住まいの市町村から補助を受けることができます。支給金額は、材質等によっても異なります。また基準額を超えた分の金額は、自己負担になります。補助を申請する際は、見積書を業者から取り寄せ、市町村市役所に提出します(その他、身体障害者手帳、印鑑、マイナンバー等も必要になります)。詳しくは、お住まいの市町村にお問い合わせください。尚、見積書のお取り寄せは、点字図書館で代行できますので、ご連絡ください。

 

 

点字図書館ボランティア表彰受賞された方のご紹介

毎年、全国各地で様々な分野で功労があった方々に、表彰授与が行われ、当館のボランティアの方からも、毎年受賞される方がいらっしゃいます。お名前のご紹介をさせていただきます。後日、インタビューを掲載予定です。

*社会福祉功労者知事表彰受賞 4名
東海林 八重子さん (点訳ボランティア)
中田 均さん (点訳ボランティア)
鶴田 悟子さん (音訳ボランティア)
宮下 貞子さん (音訳ボランティア)

*山形県民福祉大会会長表彰 2名
菊地 宏子さん (点訳ボランティア)
高橋 トモさん (音訳ボランティア)

*全国盲人福祉施設大会創立70周年記念特別奉仕活動者表彰受賞 2名
中川 順子さん (点訳ボランティア)
伊藤 靖子さん (音訳ボランティア)

*全国盲人福祉施設大会奉仕活動者表彰受賞 2名
髙橋 桂子さん (点訳ボランティア)
堀越 雅恵さん (音訳ボランティア)

*鉄道弘済会朗読録音奉仕者表彰 2名
加藤 由紀子さん (音訳ボランティア)
石井 あけみさん (音訳ボランティア)

 

 

みんなの広場

※上山市の木村清さんより、デイジー図書の感想の投稿をいただきましたので、ご紹介させていただきます(秋にいただいたメールです)。

「あの暑かった夏も去り、秋! 秋の夜長! 読書日和となりました。皆様は、どんな本を読んでおられるのでしょうか?いろいろ好みもあり、皆さんへの紹介などと思ったのですが、小説ではないものを紹介させていただきます。

デイジー図書(5タイトル)
私がおすすめする本は、下記に簡単に説明を書き、紹介いたします。
1 「ヒカリをカナタへ」
10時間54分10秒 作者 竹内 昌彦
この本は、皆様もご存じの方かも知れませんが、岡山県立盲学校教頭で退職されされた方で、全盲の先生です。いま78歳と思います。この本は、自叙伝です。現在は講演活動や、途上国に住む視覚障害者支援などに従事する、途上国に盲学校を設立、認定NPO法人ヒカリカナタ基金理事長、点字ブロックを守る会代表など、幅広くご活躍中です!
2 「70歳が老化の分かれ道 若さを持続する人、一気に衰える人の違い」
3時間55分43秒 作者 和田 秀樹
和田秀樹先生(精神科医)です。高齢者におすすめの本です。とてもわかりやすく、書いてあります。まずは読んでみて、参考にはなる本と思います。その他数多くの本を出していますので、興味を持っていただけたら、検索してみてください。
3 「1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365」
33時間51分19秒 作者 齋藤 孝(監修)
この本は、とても長いので、一日一タイトル(五分程度)365タイトルあります。読みながら、学んでいくと、とてもいい勉強になります。
4 「47都道府県の歴史と地理がわかる事典(幻冬舎新書)」
21時間35分25秒 作者 伊藤 賀一
この本は、47都道府県に分けて、それぞれ(地理、機構、特産、歴史、学校、行事、祭り、出身有名人)など、そのまま読み続けていくことも、また気になる都道府県から読んでみることもでき、楽しくその都道府県の内容がわかります。データーは、少し古いので、亡くなっているものもあるかも知れませんが、旅に出る予定の方、どんなところなど、とても楽しい本です。
5 「チコちゃんの素朴なギモン365 答えられないと叱られる!? 」
13時間27分 著者 NHK「チコちゃんに叱られる!」制作班監修
この本は、皆さんもご存じのNHK「チコちゃんに叱られる!」をまとめた本です。これも、一日一コマずつ読んでいくと、365日かかります。ちょっとした豆知識がいっぱいです。」

木村さん、ありがとうございました! 本当にたくさんの本をご紹介いただいて、うれしいです。皆さんも興味ある本があったのではないでしょうか。ぜひ、リクエストください。他県の所蔵のため、お時間いただきますがご了承ください。

 

続いて、上山市の利用者、伊沢恵さんからも本の感想をいただいております。

大学受験に失敗して首吊り自殺し幽霊となった主人公が、同じ立場の三人と共に、天国行きと引きかえに自殺者の救助を神に命じられる、というお話の「幽霊人命救助隊」の感想です。

「最初にこの本を読み始めた時は、単なるファンタジーのような軽い本なのかと思っていましたら、読み始めていくうちに、そんな事はなく本当に自殺しようとしている人たちの人生も様々で、それを救おうとする正義の味方とは似てもにつかないメンバーの人たちが、一歩一歩成長する姿を見て、思わず最後を読み終える時は泣きそうになりました。最後はこの人たちが再び神様から新しい命を得て生まれ変わる、と言うシーンは本当に胸がジーンときました
今世界中でウクライナにしても、イスラエルにしても人の命があまりにも軽く扱われている状態に胸を痛めますが、この本を読むことで本当に生きている意味を改めて学ばせていただいたような気がします」

伊沢さん、いつも本の感想をありがとうございます。この本は、ストーリーからもわかるように、幽霊などが登場するエンターテイメント小説なのですが、伊沢さんは、現在の世相も絡めて、本当に深くこの本のメッセージを読み解いている感想を送って下さいました。とてもいろんなことを考えさせられる感想でした。
点字本(全9冊)は、山形に所蔵しています。デイジー版も他県で所蔵しております。リクエストお待ちしています。

 

今月も様々な図書のご紹介をいただき、ありがとうございます。皆さまのお便りで、このコーナーが成り立っていますので、ぜひご投稿をお待ちしています。
今月は、少し紙面に余裕がありそうなので・・・僕からも作品のご紹介をさせてください。
今年の映画体験会は、山形市のソラリスで「ゴジラー1.0」を皆さんで鑑賞しました。素晴らしい作品でした。
もう一つ、時期があわずに実現できませんでしたが、ぜひ皆さんと一緒に体験したかった映画があったのです。それは「BLUE GIANT」の映画版です。
皆さんは、例えばドランゴンボールが7つ揃って願いが一つだけ叶うなら、何をお願いしますか? 僕は、迷わず1950年代後半のニューヨークにタイムスリップさせてもらって、夜な夜なジャズクラブで、当時のジャズジャイアンツ達の名演を目の前で堪能したいです。そんくらいジャズが好きなので、ジャズをテーマにした大人気コミック「BLUE GIANT」は夢中になって読みました。石塚真一さんの凄まじい画力で描かれる登場人物たちが、活き活きとジャズを演奏し、まるでコマの中から飛び出して目の前で素晴らしい演奏を繰り広げているような・・・そんな圧巻のコミックです(仙台が舞台にもなっていて、東北人としてはうれしいですね)。そのアニメ映画版が今年公開され大ヒットし、先日DVDでも発売されました。
映画化するにあたり、一番のハードルは漫画の登場人物たちが繰り広げているものすごい演奏シーンをどう表現するか、だと思うのですが、世界的ピアニストの上原ひろみさんが映画音楽を務め、日本を代表するミュージシャンたちが、漫画に負けず劣らず凄まじい演奏を聴かせてくれます。音楽は、目が見える人も見えにくい人も同じく感動できることが素晴らしいところですよね。もちろんDVD版には情景描写などの音声ガイドもついています。東京のバリアフリー映画館「シネマチュプキ・タバタ」で上映された時には、連日満席でリピーターも多く大好評だったようです。ちなみに音声ガイドは、シネマ・チュプキ・タバタの監修です。
映画のストーリーは・・・と語りだすと何ページあっても足りないので、ここらで終わりますが、ぜひご覧くださいませ。
「BLUE GIANT」のスピンオフ小説で『ピアノマン 〜BLUE GIANT 雪祈(ゆきじ)の物語〜』がありますが、こちらも大好評で重版を重ねているようです。サピエ図書館では、点字本が利用できます。デイジー版は製作中(11月現在)です。
(図書館だより担当:西田竜也)

発売元:東宝・小学館 販売元:東宝
©2023 映画「BLUE GIANT」製作委員会 ©2013 石塚真一/小学館

 

 

館長室から

館長 佐藤 孝喜
今年も残すところあとわずかになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。気温もだいぶ低くなってきているようですので、体調管理には十分気をつけてお過ごしいただければと存じます。
日ごろからボランティアの皆様には大変お世話になっているところです。長年取り組んでいただいた方々に対して、9月から11月にかけて、県社会福祉功労者知事表彰、鉄道弘済会、全国盲人社会福祉協議会などから表彰がありました。受賞された皆様誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げますとともに、ますますのご活躍を祈念しております。

前号に見込みの状態で書きましたが、10月10日、11日に第48回全国視覚障害者情報提供施設大会(山形大会)が当館を主管施設として開催されました。「情報共有社会の実現に向けて-アクセシブルな資料を提供するために私たちができること-」をテーマに掲げ、全国から多くの点字図書館施設の方々、関係の方々に参加いただきました。

不安だった全体会等のユーチューブ配信もなんとか実施できました。交流会では花笠踊り、芋煮、地酒、当協会のリハビリセンターで作ったデザートなど本県を精一杯アピールしました。機器展では視覚障がい者に役立つ機器のデモンストレーション等を行い、多くの方にご覧いただきました。いたらぬ点も多々あったと思いますが、無事終了することができました。運営に当たっては、全視情協理事長、役員、事務局をはじめ、全体会・分科会の講師、スタッフ、ボランティアなど多くの方々にご指導、ご協力をいただきました。心から感謝申し上げます。

11月15日に私どもの所属する山形県身体障害者福祉協会創立70周年記念式典が開催されました。併せて点字図書館の開館45周年もお祝いいただきました。吉村知事からもご出席いただき、お祝いの言葉を頂戴しました。今後とも視覚障がい者への情報提供、サービスの向上に努めてまいります。
私事ながら、10月18日~11月16日まで右肩腱板断裂で、手術、入院をしました。関係の方々には大変ご心配とご迷惑をおかけしました。完全回復まで半年ほどかかりますが、業務に支障がでないようリハビリを行っていきたいと思います。

 

 

職員のフリートーク

図書館職員のフリートークコーナーです。
今回は点字図書貸出担当の矢田目真美が紹介します。

図書館だよりをご利用の皆様こんにちは。寒さ厳しい季節になりましたね。今年の夏は猛暑が続き熱中症が心配されていましたが、それ以上に危険とされているのが低体温症だそうです。そこで今回は低体温症についてお話ししたいと思います。

低体温症は真冬の屋外で身動きが取れなくなった人がなるものと思いきやそれだけではありません。寒い部屋で何時間も動かずにいるだけでも低体温症になるおそれがあります。初期症状では指の動きが鈍くなったり、体の震えなどが起きたりします。寒さによる震えはシバリングといい、これによって筋肉や血管を動かし熱を発生させるのです。震えているうちは体が体温を上げようと正常に機能しているので心配はありません。しかし我慢しているうちに震えが治まったとしても油断してはいけません。深部体温が33度以下になると人間は震えることもできなくなるからです。そうなると脳や筋肉の活動が低下し、錯乱や硬直、さらには意識不明や不整脈などの症状が起きます。冷静な判断ができるうちに暖かい場所に移動したり、温かい飲み物を摂取したりして状況を改善しましょう。もし意識不明の低体温症と思われる人と遭遇した時は、相手の体をゆすったり動かしたりしてはいけません。少しの刺激で不整脈が引き起こされることがあるからです。熱中症の対処法と同じで急激な体温変化は体に負担がかかるので、頭部や脇の下・鼠径部を保温する程度に温め救急車を呼びましょう。

思っていたより寒いが私は大丈夫なんて考えていると、急に体の自由が利かなくなることがあります。低体温症とまではいかなくても体温の低い状態が続くと免疫力が落ち感染症にかかりやすくなったりしますので要注意です。これからさらに寒い日が続きますので、皆さま無理せず健康第一に過ごしましょう。

今回のお話に関連する図書を以下ご紹介します。ご興味のある方はぜひどうぞ。
「自衛隊防災ブック」 デイジー1枚、点字2冊
「体の冷えをとる特効法101(ひゃくいち)」 デイジー1枚、点字3巻

 

 

〈図書紹介〉

始めに番号をつけましたので、リクエストの際は番号をお伝えください。

デイジー図書

1 ずっと喪
洛田 二十日 著  キノブックス  5時間02分
独特の言い回しが織りなす世界観と奇想天外なアイデアで綴った、洛田二十日の作品集。全22編を収録。

2 誰も知らないジブリアニメの世界
岡田 斗司夫 著  SBクリエイティブ  6時間11分
ジブリアニメの美しい画面の裏に隠されている思想・哲学・価値観・メッセージとは。豊富な知識と資料をもとに考察する。

3 希望のカケラ 社労士のヒナコ
水生 大海 著  文藝春秋  8時間21分
社労士4年目のヒナコのもとに、家具会社のワンマン社長から、男性社員の育休申請の相談が持ち込まれ…。全5編を収録した、労務問題×ミステリー。

4 あの人が好きって言うから…有名人の愛読書50冊読んでみた
ブルボン小林 著  中央公論新社  3時間41分
芦田愛菜、堺雅人、菅義偉、藤井聡太など、俳優やアーティスト、政治家ら計50人の「愛読書」を読み、なぜあの有名人がその本を好きなのか考察。

5 二度寝とは、遠くにありて想うもの
津村 記久子 著  講談社  6時間45分
布団に感謝して話しかけたり、編み物で怒りを解消したり、「女子会」などの言葉について考察したり…。脱力エッセイ第2弾。

6 鵜野森町あやかし奇譚(二) 覚之章
あきみず いつき 著  PHP研究所  7時間25分
夢路と咲が通う喫茶店に、20年以上前に亡くなった店主のかつての恋人、伶花と瓜二つの女性が現れる。彼女の正体、目的に秘められた温かい事実とは…。

7 日本航空一期生
中丸 美絵 著  中央公論新社  8時間41分
敗戦により失われた「日本の空」を取り戻そうと奮闘し、現場主義・安全運行を徹底した先達たち。その気概に満ちた歳月を描いたノンフィクション。

8 マイ・ペース つれづれノート㊷
銀色 夏生 著  KADOKAWA  6時間28分
家の片づけと資料整理が今のいちばんの課題。あせることなく急ぐことなく、退屈しない程度には忙しく…。日々思うことを感性豊かに綴る。

9 農協の闇
窪田 新之助 著  講談社  8時間41分
顧客を食い物にする不正販売、過大なノルマによる自爆営業、権力と金に執着する経営者たち…。巨大組織JAの腐敗の構造を徹底的にあぶり出す。

10 カオスなSDGs グルっと回せばうんこ色
酒井 敏 著  集英社  4時間53分
SDGsの「キレイゴト」とぼちぼちつき合うには?元「京大変人講座」の教授が、日常の実感と科学的観点から「ほんとうの持続可能性」を考える。

11 話が1分でうまくなるすごい雑学 何気ない雑談力が上がる、とっておき246ネタ
坪内 忠太 著  三笠書房  4時間14分
人はなぜ拍手をするか?チーターはなぜライオンより速く走れるのか?思わず誰かに話したくなる、とっておきの「会話のネタ」を紹介する。

12 キャプテンサンダーボルト 新装版
阿部 和重, 伊坂 幸太郎 著  新潮社  17時間12分
蔵王に隠された秘密を知った小学校以来の悪友コンビを追う冷酷な破壊者。2人は世界を救うために走る!小説界最強タッグによる冒険活劇。

13 最強の思考法 フェアに考えればあらゆる問題は解決する
橋下 徹 著  朝日新聞出版  5時間53分
ピンチのときこそフェアにいけ! 「フェアの思考」で政治家・法律家として数々の修羅場を勝ち抜いてきた著者が、思考力の核心を初めて明かす。

14 鉄道員という生き方
大日方 樹 著  イースト・プレス  4時間16分
特殊な職種ならではのエピソードや、仕事の魅力、一日の過ごし方を紹介。また、鉄道員を目指す人たちへ、適性や心構えなどについても解説する。

15 本当の願いの叶え方
ワタナベ 薫 著  三笠書房  4時間06分
願いを叶える力を最大限に高める方法や行動力を身につけるシンプルな方法、お金に対する意識の変え方などを具体的に紹介する。

16 世界史を動かしたワイン 教養と味わいが深まる魅惑のヒストリー
内藤 博文 著  青春出版社  5時間32分
世界史、とくに西洋の歴史はワインとともに発展してきた。ワインと世界史の深いつながりを、さまざまなエピソードを交えて掘り下げる。

【厚生労働省委託】
17 差別はたいてい悪意のない人がする 見えない排除に気づくための10章
キム ジヘ 著 尹 怡景 訳 10時間05分

18 こんなにおもしろいファイナンシャルプランナーの仕事 第4版
青野 雅夫, 荒川 誠 著 4時間02分

19 「迷惑施設」としての学校
小野田 正利 著 6時間44分

20 中国史を彩った女たち 新装版
高橋 英司 著 7時間53分

【寄贈】
21 私たちの税金 令和5年度版
国税庁広報広聴室 編 2時間20分

22 令和4年度 食料・農業・農村白書
農林水産省 編 1時間22分

 

点字図書

1 逃げるが勝ち —脱走犯たちの告白
高橋 ユキ  著  小学館  全3冊
自転車全国一周に扮した男、尾道水道を泳いで渡った男、昭和の脱獄王、カルロス・ゴーン…。彼らはなぜ逃げたのか。なぜ逃げられたのか。調査報道サイト『SlowNews』連載に追加取材、加筆修正して書籍化。

2 はりねずみのノート屋さん
ななもり さちこ 作  福音館書店  全1冊
あわてんぼうのうさぎのトトンから花束をもらった、はりねずみのツンタは、お礼にノートを作ることに。どんなノートが合うのかを考えると…。手作りの楽しみと喜びにあふれた物語。かんたんミニノートの作り方付き。

3 クローゼットファイル (仕立屋探偵桐ケ谷京介2)
川瀬 七緒 著  講談社  全5冊
捨て子の着衣のリメイク痕、女子中学生の制服の不自然なシワ、饒舌に語り出すヴィンテージ生地-この男には、人に見えない真相が見える。仕立屋探偵が挑む、6つの事件。『小説現代』掲載に書き下ろしを加え書籍化。

4 太陽と月
はらだ みずき 著  小学館  全2冊
夢に偶然などない-。小柄な点取り屋・小桧山太陽と大型フォワードの大原月人。個性のまったく異なる二人は、プロサッカー選手になるため、熾烈な競争であるセレクションに挑む。

5 脱・東京芸人 —都会を捨てて見えてきたもの
本坊 元児 著  大和書房  全3冊
憧れの東京で肉体労働をしたバイト芸人時代、千鳥や麒麟が売れていく中で焦りながら模索した新しい生き方とは? お笑いコンビ・ソラシドの本坊元児が、「山形県すみます芸人」としての活動や、農業への挑戦の話を綴る。

6 坊っちゃんの身代金
本江 ユキ 著  宝島社  全4冊
日本語教師の夕香子とフリーターの彼氏は、大富豪の中国人留学生“坊っちゃん”から30万円を盗んだ。しかし、なぜか彼からさらに3億円が送りつけられ、友人が拉致される。事態は二転三転。夕香子たちが辿り着いた結末とは?

7 出張料理みなづき —情熱のポモドーロ
十三 湊 著  幻冬舎  全3冊
会社を辞め、本郷で下宿を営む祖母の家に転がり込んだ季実。無気力状態の季実に同居人の桃子が頼んできたのは「出張料理」の手伝いだった。依頼人達の疲れた心とお腹を満たすうち、季実にも変化が訪れて…。

8 いのちのシナリオ —「あのよびと」と私の不思議な12の物語
はんざわたつき 著  ナチュラルスピリット  全3冊
自身と母の不調を霊能者により救われたのをきっかけに、「あのよびと」たちの声を聴くこととなった著者。何らかの理由でこの世に留まっている「あのよびと」たちの訴えを聞き、送り出してきた、不思議に満ちた魂の記録。

9 親愛なる怪盗たちに告ぐ
山口 幸三郎 著  KADOKAWA  全4冊
怪盗団のリーダー・黒森。表の顔は大学の「王子」にして、大企業の御曹司。過去の事件の真実を探ることが目的だ。女子大生・赤石満は怪盗団に祖父の形見のブローチを取り戻してほしいと依頼を出すが…。

10 うちのにゃんこは妖怪です3 —猫又とろくろっ首の恋
高橋 由太 著  ポプラ社  全3冊
深川の「よろずあやかし相談処」には、日々妖怪がらみの悩み事が持ち込まれる。拝み屋の九一郎が出ていったあと、愉快な妖たちとともに大奮闘するみやびのもとに、大奥のある噂が届き…。

11 ギャンブラーが多すぎる
ドナルド・E.ウェストレイク 著  新潮社  全6冊
タクシー運転手チェットは大のギャンブル好き。ノミ屋のトミーを訪ねると、彼は撃ち殺されていた。容疑者にされたうえ2つのギャング組織から追われることになったチェットは、トミーの妹と組んで真犯人を探すことに…。

12 謀聖尼子経久伝 —風雲の章
武内 涼 著  講談社  全6冊
月山富田城を奪還した尼子経久は、出雲統一のための戦いに乗り出す。そこに立ちはだかるのは、出雲最大の領主・三沢一門。「真の下剋上」という大望のため、経久は謀略と罠を幾重にも張り巡らせ…。歴史長編、第2弾。

13 僕の心臓は右にある
大城 文章 著  朝日新聞出版  全4冊
先天的に内臓逆位で、心臓が右にある芸人、チャンス大城。いじめられっ子だった尼崎時代、同じく右に心臓がある女の子との出会い、東京での地下芸人時代など、人々の想像を超えるその半生を語る。

14 80代で見つけた生きる幸せ—あちこちガタが来てるけど心は元気!
G3sewing 著  KADOKAWA  全2冊
82歳で始めたがま口バッグ作り。年金3万円でも生きがいがあるから毎日が楽しい! 84歳の父、80歳の母、50歳の三女が営む小さなソーイングチームが、試行錯誤しながら進んできた日々、老後を明るく生きるコツを綴る。

15 感情を洗いながす禅の言葉
松原 正樹 著  三笠書房  全2冊
ときどきは、自ら心を落ち着け、クリアにする。放っておけば揺れてしまう心の水面を、すっと静める-。「心をクリアに、平穏に保ち、幸せになれる禅の考え方」を、禅語を取り上げながら解説する。

16 湖上の空
今村 翔吾 著  小学館  全2冊
地元・滋賀にまつわる人物のエピソード、作家を目指したきっかけ、自著に込めた思い、少年時代の思い出…。著者の初エッセイ集。

17 剣神 神を斬る
岩室 忍 著  中央公論新社  全5冊
天文16年、出羽国楯岡城下で近習の浅野数馬が闇討ちされた。6歳にして父を殺された民治丸は、仇討を武神スサノオに誓い、厳しい修行に身を投じ…。居合の始祖・林崎甚助の生涯を描く。

18 おんなのこのめいさくだいすき —ドキドキときめき 全25話
ささき あり 著  西東社  全1冊
子どもの感性を育てる名作のなかから、「しらゆきひめ」「あかずきん」「ブレーメンのおんがくたい」「ヘンゼルとグレーテル」「オズのまほうつかい」など、女の子に人気のお話を全25話収録。

19 おんなのこのめいさくだいすき —ウキウキたのしい 全25話
ささき あり 著  西東社  全2冊
子どもの豊かな心を育てる名作のなかから、「ふしぎのくにのアリス」「ジャックとまめのき」「みつばちマーヤ」「くるみわりにんぎょう」「あしながおじさん」など、女の子に人気のお話を全25話収録。

〈厚生労働省委託〉
20 父さんが帰らない町で
グレイ キース 著 徳間書店  全1冊

21 Mガールズ
濱野 京子 著  静山社  全2冊

22 ソンジュの見た星 —路上で生きぬいた少年
リ ソンジュ マクレランド スーザン 著   徳間書店  全5冊

23 「死に森」の白いオオカミ
ディーコフ グリゴーリー 著   徳間書店  全2冊

24 クマが出た!助けてベアドッグ
太田 京子 著  岩崎書店  全2冊

25 西遊記15 名の巻
斉藤 洋 著  理論社  全2冊

26 しんぱいせんせい
北川 チハル 著  佼成出版社  全1冊

27 ようせいのゆりかご
エインズワース ルース 著  岩波書店  全1冊

28 けんか餅(お江戸まめ吉1)
桐生 環 著  フレーベル館  全2冊

29 のろいまんじゅう(お江戸まめ吉2)
桐生 環 著  フレーベル館  全2冊

 

テキストデイジー図書

テキストデイジーはサピエからダウンロードでの利用となります。

1 信長鉄道
豊田 巧 著  角川春樹事務所
国鉄分割民営化前夜、保線区軌道検査長・十河拓也たち国鉄職員は工場設備と一緒にタイムスリップしてしまう。そこは今川義元の尾張侵攻を目前にした戦国時代。十河たちは生き延びるため、織田信長に協力することに…。

2 伊勢物語 在原業平 恋と誠
高樹 のぶ子 著  岩波書店
思うにまかせぬことをも愉しみながら生き抜いた歌人・在原業平。その一代記を小説化した作家が、政から遠ざかり「みやび」に生きた高貴な血筋の男の人間力を、数々の女生との恋や、男たちとの垣根を越えた交誼から解き明かす。

3 精神科医が教えるストレスフリー超大全
樺沢 紫苑 著  大和書房
「考え方」「受け止め方」を少し変えるだけで、ストレスをしなやかに受け流せるようになる! 誰しもが悪いストレスを感じやすい5つのテーマに対し、「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」を明確に示す。

4 培養肉とは何か? 岩波ブックレット No.1072
竹内 昌治 日比野 愛子 著  岩波書店
食料不足などを背景に登場した培養肉。種類がいろいろで作製技術も異なる培養肉について、用いられた先端技術と将来の可能性、課題と最低限の基礎知識をまとめる。

5 がまんしない医者の食卓
内海 聡 著   フォレスト出版
お肉もお酒も脂もがまんしないで大丈夫。本能が求める食事をたのしみながら、健康に長生きを目指しましょう! 食べ方の基礎知識や自身が普段食べている具体的なメニューを紹介する。

 

 

編集後記

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今年も一年ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
こんな情報が知りたい、こんな企画やってほしい、というご希望あれば、ぜひ図書館までお知らせください。「みんなの広場」への投稿もお待ちしています!

 

 

「図書館だより」203号
発行日  令和5年12月28日
発行  山形県立点字図書館
〒990-0031
山形市十日町1-6-6
電話 023-631-5930
FAX 023-627-1118
メールアドレス yamaten@ic-net.or.jp

2023/12/28/