山形県立点字図書館

目次
お知らせコーナー
福祉有償運送について
遊佐町地域おこし協力隊のご紹介
駅の券売機の音声案内、そして「ひとり旅旅行記」のご紹介
みんなの広場
館長室から
職員のフリートーク
<図書紹介>
デイジー図書(CD)
点字図書
テキストデイジー図書
編集後記

 

お知らせコーナー

*図書館からのお知らせ

ヨガ(軽体操)講座、情報交換会のお知らせ
点字図書館では、見えにくい方の生活に役立つ講習会や、情報提供や交流をする情報交換会を開催しています。今回は、ヨガ(軽体操)の講座を開催します。場所は最上地区(新庄市)での開催です。講師の先生の指導の元、体を気持ちよく伸ばしたり、深い呼吸をスーっと吐いたりして、身心ともにリラックスしてみませんか。
合わせて、情報交換会も開催します。遮光眼鏡体験も予定しております。
情報交換会の方は、オンラインでの参加も可能です。
興味のある方は、点字図書館までお気軽にお問い合わせください。

・日時:9月7日(木)
午前:ヨガ(軽体操)講座
午後:情報交換会
※申し込み締切:8月25日(木)
・場所:〒996-0084 山形県新庄市大手町1番60号
新庄市民プラザ 和室あじさい(ヨガ)、第5研修室(情報交換会)
・講師 森のスタジオ byそら
・料金:無料(昼食斡旋希望の方は600円を頂戴します)
・申し込み先:点字図書館(担当:岡田、西田)
※会場内等でご誘導が必要な方は点字図書館職員が同伴いたしますが、人員に限りがありますので、安全確保の面からも、可能な方は、ご家族やヘルパーなどのご同伴をお願いいたします。

 

*山形県身体障害者福祉協会からのお知らせ

令和5年度視覚障がい者ICT講習会のご案内【村山地区】【庄内地区】
画面が見えない(見えにくい)と操作ができないと思われがちなパソコンやスマートフォンですが、使い方や設定により操作ができるようになります。また、パソコンやスマートフォンに音声ソフトがあれば、画面や漢字変換の様子を読み上げてくれますので、文章を書いたり、メールやインターネットを楽しんだりすることができます。
講習会では、山形県内でボランティア活動している方々が個別にサポートしますので、個人の目標に合わせた学習ができます。
是非この機会に、パソコンやスマートフォンの操作を体験してみてはいかがでしょうか?
どうぞお気軽にお問い合せ下さい。

1.日時
【庄内地区】令和5年10月7日(土)・8日(日)・9日(月祝)
【村山地区】令和5年11月5日(日)・12日(日)・18日(土)
各日とも 10:00~15:00(昼食休憩1時間)

2.会場
【庄内地区】庄内産業振興センター マリカ東館3階 第1研修室
〒997-0015山形県鶴岡市末広町3番1号 TEL: 0235-23-2200
【村山地区】山形市総合福祉センター 3階会議研修室4
〒990-0832 山形市城西町2-2-22 TEL: 023-645-9230

3.対象者
視覚に障がいをお持ちの山形県在住の方で、パソコン及びスマートフォンの操作を学習したい方、パソコン及びスマートフォンを始めたい方。

4.講習内容
(1)画面読み上げパソコンの操作体験
(2)画面読み上げスマートフォンの操作体験
(3)点字図書館の紹介(録音図書等の利用体験など)
(4)パソコンやスマートフォンの利用に関するご相談など

5.募集定員
各会場5名 ※定員になり次第締め切らせていただきます。
※3日間の受講を希望される方を優先します。

6.受講料
無料です。参加に要する交通費等は自己負担となります。

7.その他
(1)昼食・飲み物は各自でご用意下さい。
(2)パソコン及びスマートフォンは主催者が準備します。パソコンの持込は可能です。
(3)新型コロナウィルスの感染拡大状況等により、講習内容・会場・日程が変更もしくは中止となる場合があります。

8.募集締切日
【庄内地区】令和5年9月22日(金)まで。
【村山地区】令和5年10月20日(金)まで。

9.申込方法
電話、FAX、メール等で下記までお申し込みください。
10.お問合わせ
〒990-2231 山形市大字大森385
社会福祉法人山形県身体障害者福祉協会(担当:大野)
TEL:023-686-3690 /FAX:023-686-3723
E-mail:y-sinsyokyo@orange.plala.or.jp

 

*視覚障がい者向けスマートフォン教室のお知らせ

令和5年度視覚障がい者向けスマートフォン教室
デジタル社会の利便性を誰一人取り残されず享受できる環境を作っていくための取組として、視覚障がい者向けスマートフォン教室を開催いたします。
画面が見えなくても音声読み上げ機能を利用して、スマートフォンを操作する教室で、初めてスマホに触る方や初級者が対象です。ガラケーから乗り換えを考えている方、お気軽にご参加ください。

期日:初級コース 令和5年 8月23日(水)~ 8月25日(金)
※いずれも開始時刻は10時00分、終了時刻は15時00分
会場:山形市福祉文化センター 1階学習室A
山形市小白川町2-3-47 電話:023-642-5181
定員:5名(定員になり次第締め切ります)
申込先:山形市福祉文化センター
講師等:講師1名、サポーター2~3名体制で行ないます。
その他:①初めてスマホ体験者には、主催者側で端末を用意します。
②端末は、iPhone、android(DOCOMOらくらくスマホ)です。

〈教室の主な内容〉

  • 初級コース

文章の編集やメールの送受信、インターネットやAIアプリ、視覚障がい者向け便利なアプリなどの操作を学びます。

  • 問い合わせ:090-7334-9253(小池正美まで)

 

*NPO法人輝色からのお知らせ

1.令和5年度同行援護従業者養成研修(一般課程)開催のお知らせ
視覚障がい者の支援に必要な「同行援護従業者」資格修得のための、『同行援護従業者養成研修』を、以下のとおり予定し、受講者を募集しますのでお知らせいたします。
本事業は、山形県より指定を受け実施するものです。

▽研修の目的
視覚障がい児・者が社会活動に参加・参画し、住み慣れた地域社会で自立した生活が送ることができるよう願い、開催するものです。

▽同行援護の目的
同行援護とは、視覚障がいにより、移動に著しい困難を有する障がい者等につき、外出時において、当該障がい者等に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。

▽サービス内容(支援できること)
① 移動時及びそれに伴う外出先において必要な視覚的情報の支援(代筆・代読を含む。)
② 移動時及びそれに伴う外出先において必要な移動の援護
③ 排泄・食事等の介護その他外出する際に必要となる援助
※通学や営業活動など経済活動にかかわる外出、長年かつ長期にわたる外出、社会通念上適当でない外出については、同行援護としてのご利用はできません。

▽研修内容
受講時間数(一般課程 20時間)
講義:12時間
演習:8時間
※全過程を受講された方のみに、研修会終了後認定証を発行いたします。

▽日程:令和5年度 9月16日(土)、9月17日(日)

▽受講条件:現在、介護事業所に従事されている方、今後従事する予定のある方。
※受講料、研修会場等の詳細につきましてはお問合せ下さい。

▽お問合せ先
特定非営利活動法人 輝色(きいろ)
(活動日時 毎週月・火・水曜日 午前9時~12時)
Email: info@npo-kiiro.com
主催:東北RELATIONSHIP
協賛:特定非営利活動法人 輝色(きいろ)

 

2.女性限定!
見えない見えにくい女性のためのおしゃべりラウンジ “輝”
目の見えない見えにくい方同士で気軽におしゃべりしてみませんか?

▽日程:令和5年 10月12日(木)/12月7日(木)
※参加申し込み締め切りは、開催日の1週間前とさせていただきます。

▽時間:10時30分~12時00分

▽会場:霞城セントラル22階(会議室B)

▽対象:女性
※ご参加の方は、事前申し込みが必要です。

▽お問合せ先・申し込み先
特定非営利活動法人 輝色(きいろ)
携帯:070-4121-8150
Email: info@npo-kiiro.com

▽備考:当日参加される視覚障がい者の方は、必ず同伴者とご参加いただきますようお願い致します。
情報収集、勧誘・広報目的でのご参加は固くお断りしております。
主催:特定非営利活動法人 輝色(きいろ)
※本事業は、山形県女性つながりサポート事業の支援を受け実施するものです。

 

 

福祉有償運送について

福祉有償運送についてご存知ですか?
天童市の利用者、大友信男さんよりお問合せがありました。
以下にご説明いたします。

福祉有償運送とは、障がい者や要介護者等を対象に、非営利法人や市町村が自家用自動車(白ナンバー)で行う、個別輸送サービスです。
タクシー等の公共交通機関では十分なサービスが確保できない場合に、国土交通大臣の登録を受けることで実施でき、営利に至らない範囲の対価を受け取ることが認められています。原則として1:1の個別輸送ですが、透析患者の通院や障害者の施設送迎など、必要があれば複数人の乗車も認められます。
登録団体は、NPO法人や社会福祉法人が多く、市町村が社会福祉協議会へ委託している地域もあります。

福祉有償運送の利用対象者は、下記のように規定されています。
「イ.身体障がい者、ロ.精神障がい者、ハ.知的障がい者、二.要介護認定者、ホ.要支援認定者、へ.基本チェックリスト該当者、ト.その他の障がいを有する者(障害者手帳を持っていない人)」
前提として「他人の介助によらずに移動することが困難であると認められ、かつ、単独でタクシーその他の公共交通機関を利用することが困難な者」という条件も付されています。
そのため、多くの登録団体は、リフトやスロープなどがついた福祉車両を所有・使用しています。一方で、認知症や知的障害のある人、杖歩行の人等、福祉車両の必要ない利用者もいるため、セダン車両と呼ばれる乗降装備のない車両も使用されています。セダン車両の中には、運転者の持込車両と呼ばれる個人所有車両も数多く含まれています。どちらの場合も、運転者は、運転だけでなく、必要に応じて乗降前後や目的地での介助などを行います。

ただし、運転者の稼働率や活動頻度は団体や人によっても様々で、例えば、週に1日だけ活動する有償ボランティアもいれば、毎日送迎するヘルパーもいます。また、年間に5,000件以上運行する法人もあれば、平日はデイサービスを実施し、土日だけ社会参加のために福祉有償運送を行っている法人もあります。団体の主たる事業があり、そこから見えてくる移動のニーズに応えているという団体が多いため、実態としては、目的地も対象者も活動規模も様々です。

※以上は参考資料として、ホームページ「公共交通のトリセツ」内の「福祉有償運送とはなんですか? 伊藤みどり(特定非営利活動法人 全国移動サービスネットワーク 事務局長)」のページを閲覧して作成しました。
URL:https://kotsutorisetsu.com/20210725-1/
閲覧日:令和5年5月31日

 

山形県のホームページに利用方法などの説明があったので、以下に抜粋して転載いたします。
○ 利用方法等の相談先
お住まいの市町村担当課又は県総合支庁福祉担当課

○ 利用方法
福祉有償運送を利用するには、あらかじめ、利用したい事業所への登録が必要になります。なお、複数の事業者に重ねて登録することも可能です。
各事業所への登録方法やサービス内容・利用料金などは、「事業所一覧」をご
覧のうえ、事業を実施している事業所に直接お尋ねください。

○ 利用料金
利用料については、各事業所が運営協議会の合意を得て、タクシー料金の半額を目安に設定しています。
料金の体系については、距離制・時間制・定額制など、様々設定できることになっています。
利用料、料金の体系などについては、事業所により異なりますので、「事業所一覧」をご覧のうえ、各事業所に直接お尋ねください。
福祉有償運送事業者一覧(PDF:301KB)
(URL:https://www.pref.yamagata.jp/documents/2801/r4jigyoushaichirann.pdf

私も、この一覧の中から、事業所に電話して問い合わせしてみました。
「病院に通院なされている方の送迎をして、病院内でのつきそいもしています。ご利用の方は結構いらっしゃいますよ。」
というお答えでありました。
事業所により、サービスはまちまちのようですので、興味ある方はお問合せしてみてはいかがでしょうか。

 

 

遊佐町地域おこし協力隊のご紹介

遊佐町に「スマホ道場」という変わった名前の“道場”があります。
“師範”を務めるのは、遊佐町地域おこし協力隊の渡辺真央さん、そしてボランティアの高校生などで、“門下生”として通ってくるのは、主にスマートフォンが苦手な高齢者の方々などです。
「孫とラインがしたいんだけど、やり方がわからなくて・・・」「今まで使っていたアプリがログインできなくなって困っているんだけど・・・」「キ ャッシュレス決済ってどうすればいいかわかんなくて・・・」などという参加者のご相談に、渡辺さんやボランティアさんが、一対一で手ほどきしていきます。
“師範”の渡辺さんは、首都圏で生活していたのですが、自然がいっぱいで人も温かい遊佐に魅せられて移住なされた、という素敵な経歴をお持ちの方です。昨年から、町の地域おこし協力隊として着任し活動していく中で、町内に携帯ショップがないことや、高齢者が十分にスマートフォンについて理解する環境がないことから、この“道場”をはじめました。
その場で説明書を書いたりなど、親身になった対応が話題を呼び人気企画となりました。昨年10月から、週2回遊佐町各地で開催し、延べ470名以上が利用され、その約半分がリピーターとして通われている方です。
6月の庄内地区の情報交換会でも、渡辺さんに情報提供をしていただきました。遊佐町在住以外の方のご相談にものってくださる、ということでした。
皆さんにもご紹介したくてしたくてウズウズしていたのですが、やっと図書館だよりでご紹介できたことをうれしく思います!


以下にスマホ道場のチラシにも記載されている、渡辺さんのメッセージ転載させていただきます。

「普段スマホを使っていて、わからない操作や機能はありませんか? 気軽に聞ける人は周りにいないし、携帯ショップにわざわざ行くのもなんだか気が進まない…そんな人たちの駆け込み寺的な存在になりたい!と、スマホ歴11年、地域おこし協力隊(D X担当)が、ギモン克服の技を伝授する「スマホ道場」を開いています!
“何度も通ってもらいたい”という気持ちを込めて「スマホ道場」と名付けています。お気軽に何度でもお越しください!」

※注意点
・本人に代わって何かを入力する行為、契約に関することは行えません。
・相談の内容によってはお答えしきれないこともありますので、ご了承ください。
ご利用の際は、以下の問い合わせ先やお願い、注意点などをご参照ください。
・スマホ道場は、毎週水・木曜日に遊佐町内の各施設を巡回しています。直近の開催日時・会場の確認は、遊佐町役場ICT推進室(0234-72-5893)にお問い合わせください。
・スマホ道場に来場する時は、事前に遊佐町役場ICT推進室(0234-72-5893)までご予約をお願いします。スタッフが2名以上確保できる日程で調整いたします。
・スマホ道場のスタッフは、専門的な知識があるわけではないため、あくまでもできる範囲内での対応となることをご理解いただければ幸いです。
・視覚障がい者向けの詳細機能の解説、アプリ・サービスの提案等を受けたい場合は、docomo等の携帯ショップを利用していただくことをお勧めします。

図書館だよりをご覧になっていて、スマートフォンでお困りごとなどある方は、ぜひスマホ道場にうかがってみてはいかがでしょうか。
スマホ道場の日程については、点字図書館にもお伝えいただいていますので、知りたい方はご連絡ください。また道場のチラシをご希望の方もご連絡ください。
またスマートフォン関係のご相談は、点字図書館でも承ります。職員は、専門的な知識があるわけではありませんので、回答までにお時間いただいたり、お答えできる範囲での回答にはなりますが、お気軽にご相談ください。
また、スマートフォンを持っていないけど、操作など体験してみたい、という方も点字図書館までご相談ください。iPhoneSE2をご体験いただけます。

 

 

駅の券売機の音声案内、そして「ひとり旅旅行記」のご紹介

当館利用者、島田忠さん(最上町)より、駅の自動券売機の音声案内について教えていただきました。
以下に「JR東日本」のホームページにある説明を転載いたします。

「タッチパネル式券売機(傾斜型券売機)には、数字のテンキーが付いており、金額の数字を押してきっぷを購入することができます。近距離きっぷをご購入いただけるほか、Suica(スイカ)対応券売機では「チャージ(入金)」も行うことができます。また、テンキーの「*」を押していただくと音声ガイダンスがはじまりますのでガイダンスに従ってご購入いただけます。」

私も、駅に行って試しに操作してきましたが、押している数字をはっきり教えてくれるし、販売している切符に該当のない金額で決定しても、間違った金額である旨を音声で教えてくれました。
以下はJR東日本のホームページ「目の不自由なお客さまへ」のページのリンクです。
https://www.jreast.co.jp/equipment/equipment_2/
(URLはホームページ改修の際などに変更になる場合があります。)

島田さん、教えていただきありがとうございました! この号が発行されるのは、8月中旬で夏、そして秋と旅行シーズンにはいってきていますよね。コロナ禍でなかなか難しかった旅行も再開していらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
今年から、「Suica」や「PASMO」でも障害者割引が適用されるようになり、専用のカードがあれば、有人改札での手帳の提示が必要なくなりました。
山形でも、交通系ICカード「チェリカ」に情報を登録すると、自動的に障害者割引が適用されるようになりました。
こういった利便性を生かして、旅行の計画などを立てるのも楽しいかもしれませんね。

 

昨年、日本ライトハウスが発行している「読書」の10月号に、視覚障がいをお持ちの職員さんの、とっても素敵な旅行記が掲載されていて、ずっとわたくしの心に深く刻まれたまま、なかなか消えてくれないので、思い切って日本ライトハウスに電話して転載の許可をいただきました! みなさんにもご紹介させてください。
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  • 「週末弾丸一人旅 in 豊岡」

秋の旅行シーズンを迎えます。当館の若手職員Oさんは一人旅が趣味の一つ。豊かな人間力と視覚以外の感覚をフル活用して東へ西へ、時には世界へ旅しています。そんな彼女が最近、一人で出かけて、満喫した旅の体験記を掲載します。(竹下)
「博物館へは初めてですか?」
バスの前方から飛んできた声に、私ははっと顔を上げました。信号で止まったタイミングで運転手さんがこちらを振り返り、私に話しかけているのです。「はい初めてです!」マスクを通してもわかるよう、私は大きな笑顔を返します。
「博物館、今日開いてますか?」
「バス降りたら一人で行ける?」
畳みかけられる質問にすべてイエスで答えながら、私は思わず苦笑い。まあ、心配も無理ないか。白杖を持ったあきらかによそ者の女子が、一人でふらりと乗ってきたのだから。
と…この運転手さん、なんと通常のバスのルートを逸れ、博物館の玄関の前で私を降ろしてくれたのです。地元の人ならではの優しさに触れた嬉しさと、車内の乗客全員に行先が知れわたった恥ずかしさがしばし互角の戦いを繰り広げ、うれしさが競り勝ちました。
今年の5月のとある週末。私は一人、兵庫県豊岡市に来ていました。大阪からJRを乗り継ぐこと約5時間!もちろん特急なら時間はその半分です。が、あえてそうしなかったのは、旅気分を長く味わいたかったから。土曜日の夕方に家を出て、豊岡駅に着く頃には夜9時近くなっていました。
駅前のホテルで1泊し、翌朝一番で向かったのが、冒頭の「博物館」、日本・モンゴル民族博物館だったのです。
飛び込みで行ったにもかかわらず、学芸員さんはすごく感じ良く、館内を一緒に回りながらほとんどのものを触らせてくれました。特に面白かったのは、フビライ・ハンが日本を攻めた元寇(げんこう)で使われた砲台のミニチュアです。大きなお玉のようなものが横木に立てかけてあるだけ。お玉に砲弾を乗せ、横木を支点に、てこの原理で飛ばすのです。その原始的な作りはどことなくユーモラスでした。
それから再びバスに乗り、城下町出石(いずし)へ。下車徒歩1分で、名物皿そばのお店に着きました。お店の中は小さな日本庭園のよう。土間に小さな池があり、鯉や金魚が泳いでいました。そのお店の3代目だという青年は、東京・神田のそば屋で3年間修業し4月に帰ってきたばかりだとか。深掘りしたら朝ドラになりそうです。
その後は、明治から使われている芝居小屋「永楽館」の舞台装置を触ったり、出石城に仕えた家老の屋敷に入ったり、ソフトクリームを食べたり。どこか一つの場所に行くたびに、そこのスタッフさんがまた次の場所まで付き添ってくれました。途中から観光協会のおばちゃんも登場。街中、皆顔見知りのようで、私もその輪の中にひととき入れてもらった気分でした。
最後、駅に向かうバスを待ちながら、来てよかったな、としみじみ。学生の頃のような長い休みが無くてちょっぴりふてくされていたけれど、週末の2日間だけでも自分次第でいくらでも充実させられるんだと身にしみました。

※「目の見えない方。見えにくい方の情報誌「読書」2022年10月号
発行:(社福)日本ライトハウス情報文化センター」より転載
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転載は以上です。いかがでしたか?
僕はとても反省しました。なぜ反省したかというと、僕は目が見えるにもかかわらず自分で旅行に行く時、ここまで「旅行を楽しもう!」としていたかなあ・・・と思ってしまいました。そして最後の「週末の2日間だけでも自分次第でいくらでも充実させられる」という一文を読んだ時、人生だって同じだよな・・・などと思い、とても前向きになれる素晴らしい旅行記だなあ、とちょっと泣きそうなくらい感動したのでした!
日本ライトハウスのOさん! また素敵な旅行記を読めることを楽しみにしています!

 

 

みんなの広場

※利用者で、点字本をいつも読んでくださっている天童市の鈴木恭子さんより、素敵なお手紙をいただきました。ご紹介させていただきます。

点訳本の思い出

鈴木 恭子

この度は点役者・音訳者の方々との楽しそうな話し合い(198号、199号ボランティアさんのインタビュー)、私もとても楽しく読ませていただきました。
私は本を開く時は一番最初に奥付を見ます。いつ、誰が点訳なさったのかなーと思うととても張り合いがあるというか親しみがわくというか・・・。
私は昭和23年に盲学校に入りました。教室の隅に戸棚があって何冊かの本がありました。私はそれを引っ張り出してイソップ物語やグリム童話を読んでいました。先生が、小学生の私を点訳者の方の家に連れて行ってくださり、いろんな人に会わせて下さいました。いくつか例をとってお話します。

最初に連れていってもらった方は、ベッドに寝たきりでおなかの上に点字板を載せて点訳なさっていました。先生はそういう状況を私の手を取って触らせて下さいました。私はびっくりして心の中で、えー? こんな格好で・・・? とびっくりしたことを覚えています。
足がないから歩けない方もいました。ベッドだか車椅子だかに腰かけている所を触らせて下さいました。奥さんがつきっきりでどこへでも行くとのことでした。
また、刑務所に入ってる人たちも点訳をやって下さっていました。7人で手分けして「新平家物語」を点訳して盲学校に送ってくださいました。
それから結核療養所にも連れていってくださいました。そこには数人の点訳者がいらっしゃいました。お昼に七輪でご飯を炊きごちそうして下さいました。

私は、小学6年生から数年間図書係をしていました。小学生や中学生が「何か本貸して?」と私の所よく来ました。「これ読んでごらん?」と一人一人に選んでやるには私も読まなければなりませんので、そういう関係で本はどれが面白いとかどれがどうとか言っていられず、片っ端から読んで後輩に貸していたような気がします。
今もあの頃点訳された本が来ると懐かしくて喜んで読んでます。

見えないってありがたいなーといつも思うのですが、夜寝てても目が覚めると 本をおなかの上に引っ張り上げておなかの上をさするような感じで本が読めるんですから幸せですよね。入院した時も家から図書館の本を運んで読めるのでとってもありがたかったです。
とにかく1点1点、点筆で押して字にするのですから大変な仕事ですよね。力はいるし1点間違っても違う字になっちゃうし・・・。数字なんかは1点違っても字が違うんですからね。読みかえて間違いをチェックする人もとても大変だと思います。慣れないうちは「か」とか「な」とか「や」なんて間違いやすいですからね。「なんじ」と書いても「かんじ」なんて読んだら・・・。
図書館の皆さんのご苦労、これでもいつも感謝してます。本当によくやって下さいますね。

鈴木さん、素晴らしいお手紙ありがとうございます。
昭和20年代の盲学校の様子・・・見学で連れてってもらって、行く先々で出会う様々な点訳者の方・・・いろんな景色が目の前に浮かんでくるような・・・素敵なお手紙ですね。
後半では、点字本を読んでいる時の幸せな様子も描かれていました。「見えないってありがたいなー」というお言葉も書いていましたが、僕は目が見えるのに、日々そんな幸せを感じて生きることができているだろうか・・・と考えこんでしまいました・・・
何度でも言ってしまいますが、本当に素敵なお手紙! ありがとうございました!

 

※当館イベントによく参加してくださっている米沢市の利用者、加藤和子さんより、スマートフォン講座(ドコモハーティ講座)に参加しての感想のお手紙をいただきました。ご紹介させていただきます。

スマートフォン講座、情報交換会に参加して

加藤 和子

6月の置賜地区情報交換会に参加しました。
ロービジョン向けの道具やサービスも年々便利に変化していくので、生活をより快適にしていく為に、新しい話題はないかと思って、情報交換会などにはなるべく出かけて行くようにしています。
特に変化の激しいのが、電話というには、あまりにもかけ離れてきたスマホです。
私は世の中よりだいぶ遅れてガラ携を持ちました。電話を持ち歩く程度に考えていたので高齢者向けのかんたん携帯は使い易かったのですが、慣れた頃にはサービスが終了してしまいました。残念。
でもスマホを手にして戸惑うことばかりです。私が思う以上の機能の多さと、手順の複雑さにストレスマックス、つい使うのがおっくうになり机の上に放りっぱなしです。

そこで今回のスマホ講座に息子を誘い、私にこの道具がどう使えるのか一緒に考えてもらうことにしました。
当日の教室では、晴眼の受講希望の同伴者にもスマホの貸出があり、盲人向け設定のスマホの実体験となりました。その息子の感想です。
「リアル・ラストマンだった!」
ラストマンとは、先頃までテレビ放映されていたドラマです。福山雅治さん演じる全盲のFBI捜査官が、スマホと周辺機器を駆使して、刑事達を尻目にカッコ良く、事件の捜査をし解決に導くという筋立てです。その中で彼がスマホを耳に当て、指先で画面を軽くタップするだけで色々な操作をする場面が出てきます。あれはテレビドラマの演出かと思ったら本当にやれるんだと驚いたそうです。
私はFBI捜査官なみに使いこなす必要はないから、マイペースで少しづつ使っていきます。まずは、災害時の市からの避難情報を音声で確認できるようにしたいですね。

加藤さん、ご感想ありがとうございました! 息子さんも参加してくださり、熱心に受講している姿が印象的でした。
テレビドラマに例えて、驚きの様子を伝えてくださいました。僕はほとんどテレビを見ないので・・・ドラマも見ていないのですが、スマホを華麗に操る福山さん、カッコ良さそうですね! 見た方がいたら感想をお聞かせください!
市からの避難情報を、音声で確認できるようになりたい、とも書いてくださいました。実は講座の前日、会場のある米沢市では、大雨が降り全域に避難指示が出ていたのでした。
災害情報については、LINE等のスマホアプリで、市からの情報を受け取ったり、県の災害情報のメール配信サービスに登録しておいたり、いろいろとスマートフォンでできるところはあると思います。ぜひ図書館だよりお読みの方の、おすすめのサービスやアプリなどがあれば教えてください。
ちなみに、今回昼食の希望があった方は、お弁当を注文して会場で食べたのですが、加藤さんがおすすめのお弁当屋さんを教えてくださったので、そこの肉団子弁当にしました。特大の肉団子が三つもドカンと入っていて、とってもおいしかったです!

 

 

館長室から

館長 佐藤孝喜

毎日暑い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。熱中症にならぬよう水分補給や適切な冷房使用など体調管理に十分気をつけてお過ごしいただければと存じます。

6月15日に酒田市で、29日に米沢市で情報交換会とスマートフォン講座を開催しました。私は米沢市の会に参加させていただきました。情報交換会では、交差点の話がでました。以前は、音響信号機はメロディ式(とおりゃんせ、故郷の空)と擬音式だったのが、最近は方向性がより明確で、誘導性も高い、擬音式の異種鳴き交わし方式(手前側と反対側で違う種類の音を時間をずらして鳴らす方式。(「ピヨ・ピヨピヨ」、「カッコー・カカッコー」))の整備が進められているとのことです。信号の色を識別して知らせてくれるアプリを活用しているという話や信号機の音の出る時間帯の制限があったり、ハイブリッド車の登場でエンジン音がわからなくて渡りにくい場合があるという話もありました。

福祉制度について、これまで同行援護の支援制度を知らず、タクシーを使って降ろされた後どう動いてよいかわからなくなったり、家族に負担を掛け時間を気にしながら送り迎えしてもらっていたが、同行援護をお願いするようになって、気楽に出られるようになったという話がありました。出席いただいたNPO法人輝色の多田理事長からは、同行援護のヘルパーさんが減ってきており、同法人では同行援護従業者養成研修を実施しているという話がありました。必要な方に必要な支援が届けられるように望むところです。

当日は、当事者の方が9名参加されていましたが、盲導犬をお連れの方が3名おり、改めて盲導犬の重要性を認識いたししました。

6月14日の全国視覚障害者情報提供施設協会総会で今年の全国大会(山形大会)の現地開催が正式に決定されました。10月10、11日に山形テルサで開催されます。大会テーマは「情報共有社会の実現を目指して-真にアクセシブルな書籍とは 点字図書館の果たす役割」(案)です。全体会では電子書籍の理解を深めるパネルディスカッションが行われるほか、サービス、点訳、録音の各分科会、交流会などが予定されています。当館が主管施設ということで、案内や受付をはじめ多くの方々のお力添えが必要となりますので関係の皆様にはよろしくご協力くださるようお願いいたします。

また、両日は職員が山形テルサに出向くため、図書館が手薄になり、ご不便をおかけすることがあろうかと存じますが、ご容赦くださるようお願いいたします。

 

 

職員のフリートーク

『図書館だより』をご利用の皆様、こんにちは。
点訳を担当しております指導員の岡田由希です。
この『図書館だより』が発行される頃は、夏真っ盛りですね。
毎年猛暑、酷暑と言われるほど暑くなり、耳にすることが多くなっている熱中症について改めて書いてみます。

熱中症の軽度サイン(症状)は、目まい・立ちくらみ、汗が止まらない、手足のしびれ、こむら返り
対処は①涼しい場所へ移動(室内の場合はエアコンなどで室温を下げる)
②安静 ③冷やした水分・塩分の補給
中度サインは、頭痛、集中力や判断力の低下、吐き気、体がだるい
対処は①涼しい場所へ移動 ②安静 ③衣服を緩め体を冷やす ④十分な水分・塩分の補給になります。

約4割が住居内で熱中症を発症しているそうです。家で過ごす際、エアコンの使用を控えることが原因です。
夜間熱中症にも注意が必要で、就寝時にエアコンや扇風機をつける習慣がない人が熱中症にかかってしまうそうです。
電気代も高騰し、気になるところですが元気に夏を乗り切るため、上手にエアコンや扇風機を活用しましょう。

また、暑い日は映画館で過ごすというのはいかがでしょうか。
当館でも、映画の体験会は3年ほど続けて開催しています。
スマートフォンを介して映画の音声ガイドを聞くことができるので、耳で楽しむ映画というイメージでしょうか。
事前に見たい映画のアプリをダウンロードしておけば、映画が始まると自動的にガイドが流れます。

今年も11月頃に開催する予定です。日程、作品が決まりましたら、この『図書館だより』でお知らせします。
劇場の雰囲気を味わいながら映画を楽しめるので、まだ体験したことがない方は是非ご参加ください。そして、体験会の後はご家族やご友人と一緒に映画館へ行って映画を楽しんでいただきたいです。
体験会ではスマートフォンをお持ちでなくても、図書館で貸し出しします。また、お持ちのスマホにアプリを入れるお手伝いもしますので、お気軽に図書館へお問い合わせください。

 

 

〈図書紹介〉

紹介図書の始めに番号をつけましたので、リクエストの際は番号をお伝えください。

デイジー図書

1 窓辺の愛書家
エリー・グリフィス 著 上條 ひろみ 訳 東京創元社 13時間31分
多くの推理作家に協力していた、本好きの老婦人が死んだ。死因は心臓発作だが、不審に思った介護士のナタルカは真相を探りはじめる。

2 大正箱娘2 怪人カシオペイヤ
紅玉 いづき 著  講談社  5時間29分
大正の都に現れる、秘密と謎が好きな怪人・カシオペイヤ。万病に効く「箱薬」に隠された謎、そして帝都の「秘密」を狙う怪人の正体とは…。

3 おいしいアンソロジー おやつ 甘いもので、ひとやすみ
阿川 佐和子 ほか著  大和書房  5時間25分
ちょっと値の張るチョコレートへの衝動、遠出してでも買いたいようかん、徴兵中の兄が夢中で食べたおはぎ…。おやつについての43篇のアンソロジー。

4 猪木と馬場
斎藤 文彦 著  集英社  8時間35分
誰もが熱狂したプロレスラーアントニオ猪木とジャイアント馬場の物語。力道山門下での同日デビューから独立を経て興行戦争、引退・晩年までを綴る。

5 般若心経 生まれ変わる
ひろ さちや 著  中央公論新社  5時間32分
「いい加減」「デタラメ」「あきらめ」、般若心経はこの三つの言葉こそ仏教の根本精神だと説いている。Q&A形式で般若心経の世界をわかりやすく解説。

6 子どもを攻撃せずにはいられない親
片田 珠美 著  PHP研究所  4時間52分
攻撃的な親が子どもに与える影響について、具体例を挙げながら解説し、子どもを攻撃する親にどう対処すればいいのか、考察する。

7 男子厨房に入るべし 料理を始めると劇的に人生が変わります
南 清貴 著  ワニ・プラス  5時間30分
加工食品や食品添加物で危機に瀕する日本の家庭料理に警鐘を鳴らす著者が、男子が厨房に入るべき理由とその実践法を説く。

8 乳酸菌と食物繊維が腸を壊す
宇野 良治 著  宝島社  5時間23分
過敏性腸症候群(IBS)の原因は乳酸菌や食物繊維だった。同じ悩みを抱える患者を診る医師が、そのメカニズムと改善方法をわかりやすく解説する。 

9 60歳から脳を整える 老けない ボケない うつにならない
和田 秀樹 著  リベラル社  3時間15分
認知症に起因しないボケは予防できる!脳の前頭葉の整え方、前頭葉を元気にする習慣、人づき合いの方法、ボケない脳などについて解説する。

10 新・浪人若さま新見左近(九) 無念の一太刀
佐々木 裕一 著  双葉社  5時間33分
江戸を襲った火事から1年。左近は、大火の混乱に紛れて武家の娘たちが攫われたとの不穏な噂を耳にする。左近は近侍四人衆に探索を命じるのだが…。

11 ボーイフレンド演じます
アレクシス・ホール 著 金井 真弓 訳  二見書房  19時間02分
ロックスターを両親に持つルーク。ある事情から、ボーイフレンドを見つけることになった。真面目な弁護士オリヴァーと期間限定の恋人を演じることになり…。

12 江戸川西口あやかしクリニック
藤山 素心 著  光文社  5時間41分
就活57連敗の亜月がやっとのことで見つけたのは、「あかしやクリニック」の病院事務。でも、イケメン院長もホスト系理事長もみんなあやしくて…。

13 最後に勝つ負け方を知っておけ。100%の自分を出しきれる奴、中途半端なままで終わる奴の違い
アントニオ猪木 著  青春出版社  5時間30分
アントニオ猪木はなぜ常に明るく前向きなのか。猪木が40代後半の人生の転機で著した、猪木流・先の見えない時代を生き抜く流儀。

14 黄色いマンション黒い猫
小泉 今日子 著  新潮社  4時間25分
今だから書けること、今しか書けないことを綴った、小泉今日子のエッセイ集。「和田さんの今日子ちゃん」など2編を追加し文庫化。

15 怖い村の話 絶対に行ってはいけない
都市ボーイズ 監修  宝島社  8時間54分
九十九里浜に残る「44歳で死ぬ」呪い、生きた人間を的にする東京近海の射撃訓練場…。日本全国の世にも奇怪な物語の数々を収録する。 

16 寄り添って老後
沢村 貞子 著  中央公論新社  4時間45分
81歳で女優業を引退した著者が、自身の「老い」を冷静に見つめユーモラスに綴る。永六輔との対談「お葬式を考える」も収録。

【寄贈(NHK厚生文化事業団ほか)】
17 芋粥 ラジオ文芸館
嵐山 光三郎 著 秋鹿 真人 朗読 42分

18 埋め合わせ ラジオ文芸館
森 浩美 著 昼間 敬仁 朗読 42分

19 生きる私たちのためのスープ ラジオ文芸館
寺地 はるな 著 岩槻 里子 朗読 42分

20 四捨五入殺人事件 青春アドベンチャー
井上 ひさし 原作 井出 真理 脚色 1時間16分

21 ウブヒメ 青春アドベンチャー
今城 文恵 原作・脚本 2時間31分

22 はるかぜ、氷をとく FMシアター
渡辺 あや 作 52分

23 家族じまい 新日曜名作座
桜木 紫乃 原作 東 多江子 脚色 3時間02分

24 山本周五郎・戦国短編集 新日曜名作座
岡本 綺堂 原作 古川 壬生 脚色 3時間02分

25 第57回 NHK障害福祉賞入選作品集
3時間33分 

【厚生労働省委託】
26 令和4年版 厚生労働白書
厚生労働省 編 10時間33分

27 令和4年版 障害者白書
内閣府 編集 9時間28分

 

点字図書

1 みんなのふこう ― 葉埼は今夜も眠れない
若竹 七海 著  ポプラ社  全3冊
舞台は海辺の町・葉崎。一見不幸な17歳のフリーター、ココロちゃんと、彼女を見守る同い年の女子高生ペンペン草ちゃんがくりひろげる、楽しくてほろ苦い青春ミステリー。書き下ろし「十数年後の文月」を加えて文庫化。

2 ホラーチック文具
染谷 果子 著  PHP研究所  全2冊
文具に一生をささげた店主の祈りは神に届き、祈った夜と同じ数だけの文具に命が宿り…。何もかもを消すことができるケシゴム、縁が切れるハサミなど、文具にまつわる不思議で怖い、1話5分で読めるショートストーリー。

3 ジグソーパズル48
乾 くるみ 著  双葉社  全5冊
放課後のおやつだった高級イチゴが消えた! 原因は絡み合った女子の思惑…!? 日常で起きた7つの事件の解決に、個性豊かな女子高生たちが挑む、連作ミステリ短篇集。

4 ニコデモ
藤谷 治 著  小学館  全6冊
昭和初期、裕福な実業家のもとに生まれ、神童の名を恣にした瀬名ニコデモは、音楽の道に生涯を捧げようとする。だが、ある奇怪な出来事が影響して、自らの手で作曲することができなくて…。『小説丸』配信を加筆し書籍化。

5 ラストでわかるだれの手紙
たから しげる 著  PHP研究所  全2冊
「だれ」から「だれ」への手紙かわかりますか? 差出人と受取人は予測不能! 児童文学界で活躍中の著名作家11人による、1話5分で読めるショートショート15編を収録。

6 服部半蔵の犬
風野 真知雄 著  光文社  全3冊
黒田藩の福岡城下で足に怪我を負い、温泉療養に行った三社流の師範・望月竜之進は、大の男が黒い犬に斬りかかっているのを目にする。その犬は服部半蔵が飼っていた犬だという…。表題作ほか全5編を収録。

7 シニアひとり旅
下川 裕治 著  平凡社  全3冊
シニアだからこそ味わえる、ひとり旅の良さ。バックパッカーの憧れの地・インド、シルクロードの交易地として栄えた中央アジアの国々…。アジア各地を旅してきた著者が、シニアならではの目線で南・中央アジアの旅を紹介する。

8 六莫迦記2 ― 𧏚潰しの旅がらす
新美 健 著  早川書房  全3冊
葛木家の六ツ子は“ある事情”で江戸から旅に出された。「東海道中膝栗毛」を気取るも、六人の後をつける魔の手が迫る。いつのまにやら伊勢参りが逃避行になり、さらには謎の追手に追われる美少年2人が眼前に!

9 六莫迦記3 ― いつの間にやら夜明けぜよ
新美 健 著  早川書房  全3冊
旅から江戸に戻った六ツ子の眼前で、井伊大老が襲撃された。兄弟は必死に逃げ出すも着いた先が首謀の水戸藩に通じた上屋敷。朝廷の密勅を託された六兄弟は幕府から狙われるが、常人には想像できない方法で歴史的偉業をなす!?

10 ラストで君は「まさか!」と言う — 12歳の物語
PHP研究所 編  全2冊
ラストには「まさか!」なエンディングが待っている! 3分でおもしろいほどサクサク読める、どんでん返しのショートストーリー集。「ベスト・フレンド」「永遠のランドセル」など全19話を収録する。朝読にも最適。

11 異動辞令は音楽隊!
内田 英治 著  講談社  全3冊
警察音楽隊への異動を命じられた現場ひと筋30年の刑事・成瀬司は、組織にもなじめず、家族もバラバラで…。ミドルエイジの葛藤と、音楽が繋ぐ絆を描く書下ろし爽快エンターテインメント。2022年8月公開映画の原作。

12 レニーとマーゴで100歳
マリアンヌ・クローニン 著  新潮社  全7冊
英国の病院で終末期医療を受ける少女レニーは17歳。好奇心旺盛で老人向けアートセラピーに潜り込み、83歳のマーゴと知り合う。ふたりは自分たちが生きた証として、合わせて100年分の人生を絵に描いて残す計画を立て…。

〈厚生労働省委託図書〉
13 名井島
時里 二郎 著  思潮社  全1冊
用済みになった人形やアンドロイドが余生を送るサナトリウムの島をめぐる物語世界を、伝承的なスタイルで表現した詩集。第70回読売文学賞詩歌俳句賞、第49回高見順賞受賞。

14 スクラッチ
歌代 朔 著  あかね書房  全5冊
コロナ禍で「総体」が中止になったバレー部キャプテンの鈴音。出展するはずの「市郡展」の審査が中止になった美術部部長の千暁。それでも「平常心」と自分に言い聞かせ、出展作の「カラフルな運動部の群像」を描き続ける千暁のキャンバスに、鈴音が不注意から墨をとばしてしまい…。コロナ禍で黒く塗りつぶされた中三の夏。そのなかで、もがきながら自分たちらしい生き方を掴み取っていく中学生たちの、鮮やかな爪痕の物語。

15 くまのピエール
オルセン イヴ スパング 著  こぐま社  全1冊
ピエールは、スティーヌの家で暮らす小さなくまのぬいぐるみ。初めて見た月を、お金だと思って取りに行こうとしたり、雪玉のなかに閉じ込められて、ころころ転がったり…。勘違いからいつもおかしなハプニングを巻き起こすピエール。これは、そんなおとぼけ屋のくまの、ゆかいな日々のお話です。

16 スーパー・ノヴァ
パンティルイーキス・ニコール 著  あすなろ書房  全4冊
7年間で11カ所の家庭を転々としてきたノヴァと姉のブリジット。姉妹のモットーは「里親にはなつかない。本当の家族は私たちふたりだけ」。人とのコミュニケーションが難しいノヴァにとってブリジットは世界との橋渡し役だった。ふたりは星と宇宙が大好きで、宇宙飛行士に憧れ、スペースシャトル・チャレンジャーの打ち上げを心待ちにしていたのに、ある日ブリジットは姿を消した。ひとりぼっちになったノヴァは…。

17 不思議な水銀の話 — 翼をもった悪戯元素の秘密
斉藤 貢 著  環境省環境保健部水銀対策推進室  全1冊
人々の暮らしの中で様々な用途で使われてきた一方、環境汚染や健康影響の原因ともなり得る「水銀」。水銀に関する様々なトピックを取り上げて解説する。

18 被災経験の聴きとりから考える
土屋 葉 著 生活書院 全5冊
4人の研究者が、5年間にわたって調査に入り続け、東日本大震災以前からあった脆弱性、被災のその日、今の暮らしのあり様を丹念に聴きとる中から、支援のあり方を考える。

19 恋話ミラクル1ダース
にかいどう 青 著 講談社  全2冊
今朝、花村マモルが教室に入ってきたとたん、わたしはギョッとした。授業中も気になってしかたがなかった。花村の頭に、赤いチューリップの花が咲いていたから…。第1話「思いの丈フラワーズ」ほか、未良来(ミラクル)中学校をとりまく全12話を収めたコイバナ短編集。

20 自分のこころとうまく付き合う方法
ジェームズ アリス 著  東京書籍  全3冊
からだが健康ならいいってわけじゃない。からだと同じように、こころの健康状態も常に変化していく。具合が良くて落ち着いているときもあれば、調子が悪くてイライラしちゃうときだってある。自分の頭の中はいまどんな状態でどんな気分か、どう考えてどう行動しているか。こころのしくみを知って、こころの健康について考えるにはどうすればいいかを、わかりやすく解説する。

21 猿橋勝子 — 女性科学者の先駆者
清水 洋美 著  汐文社  全2冊
科学技術は、人類の幸せのために役立てなければならない―。ビキニ環礁の水爆実験で降った「死の灰」を分析し、核兵器実験の放射能汚染に警鐘を鳴らした猿橋勝子。たゆみなく正しいことを説き続け、女性科学者の道を切り拓いた、八十七年の人生を描きます。

22 もしもトイレがなかったら
加藤 篤 著  少年写真新聞社  全1冊
災害時に最も困ること。それは水でも食べ物でもなく、トイレです。おなかがすいても一日ぐらいなら我慢できますが、トイレを一日中我慢することはできません。人が安心して健康に暮らすためにトイレは欠かせないものです。そんな大切なトイレについて、近年注目されている防災や衛生の視点を中心に、トイレの歴史や設備、使い方や災害時の備えなどを解説します。

23 フン虫に夢中 — ウンチを食べる昆虫を追いつづけて
いどき えり 著  くもん出版  全1冊
フン虫は、その名のとおり、動物のフンを食べる昆虫です。でも全然臭くありません。それどころか、きれいな色をしていて、宝石のように輝くものもいます。そんなフン虫と中学生の時に出会い、夢中になり、標本を集め、フン虫だけの博物館をつくった人がいます。元はサラリーマンで、会社をやめてまで取り組んだその人は、いったいどんな人なのでしょう…。

24 オニタロウ
こさか まさみ 著  福音館書店  全1冊
ある日、鬼からの挑戦状がたけのこ園に届きます。「おれさまは、カキの木山に住む鬼の親分だ。相撲で勝負して勝てなければ、おれさまの〈子分〉になれ。」さあ、子どもたちは大騒ぎ。さっそく、相撲の練習をしたり落とし穴を作ったりと準備を始めます。そうして約束の日にやってきたのは、オニタロウ。子どもたちと相撲を始めて、順調に勝っていたオニタロウですが、投げられた雪が顔にあたり、落とし穴に落ちてしまいます。子どもたちに助け出されたオニタロウは、ぽろりぽろりと大粒の涙を流し始めて…。

25 福祉行政報告例の概況 令和2年度
厚生労働省政策統括官付参事官付行政報告統計室 編  全1冊

26 社会福祉施設等調査の概況 令和2年度
厚生労働省政策統括官付参事官付行政報告統計室 編  全2冊

27 地域保健・健康増進事業報告の概況 令和2年度
厚生労働省政策統括官付参事官付行政報告統計室 編  全2冊

28 高齢社会白書(概要版)令和4年版
内閣府政策統括官付高齢社会政策担当 編  全1冊

29 少子化社会対策白書(概要版)令和4年版   
内閣府子ども・子育て本部 編 全1冊

30 デジタルを活用する未来に向けて
デジタル庁  全2冊

31 食育白書(概要版)令和4年版
農林水産省  全1冊

32 交通安全白書(概要版)令和4年版
内閣府政策統括官  全1冊

33 消費者契約法
e-Gov法令検索  全1冊

34 割賦販売法
e-Gov法令検索  全4冊

 

テキストデイジー図書

テキストデイジーはサピエからダウンロードでの利用となります。

1 罪人に手向ける花
大門 剛明 著  角川春樹事務所
笑顔を絶やさず被疑者に向かい合う癒し系女性検事・黒木二千花。絶対に悪を赦さないという強い信念を持つ彼女が担当する殺人事件の被疑者は、かつて検事だった父が起訴を見送った男。彼は今度も無罪なのか、それとも…。

2 感染症の世界史
石 弘之 著     KADOKAWA
最強の感染症=エボラ出血熱を人類は押さえ込めるのか!? 微生物(ウイルス・細菌・寄生虫)の最新遺伝子情報、40億年の地球環境史の視点から、人類を苦しめる感染症の正体を暴く。

3 博士の愛したジミな昆虫
金子修治,鈴木紀之,安田弘法 編著     岩波書店
スター昆虫ではないけれど、ジミな虫たちだって、やってることはスゴすぎる! SFみたいなびっくり生態、植物やほかの虫たちとの複雑怪奇なからみ合い…。その謎を解いていくワクワクを、10人の昆虫博士たちが熱く語る。

4 人は見た目!と言うけれど
外川 浩子  著 岩波書店
脱毛症、小耳症…。講演等を通し「人生は見た目ではなく、人と人とのつながりで決まる」と伝える著者が、見た目を理由とする差別や偏見で生じる「見た目問題」について綴った書。当事者達の体験から見た目と生き方を問い直す。

 

 

編集後記

今号も、お目通しいただきありがとうございます。

今回の表紙のイラストは、お祭りのうちわを持ったゆかた姿の女の子です。

夏といえば、やはりお祭りですよね! 個人的なことですが、今年はコロナも五類になったし・・・ということで、本当に久しぶりに夏フェスに行ってきます! 僕の今年のお目当ては、歴史上最高のラッパーとの呼び声も高いケンドリック・ラマ―さんです。ラマ―さんは以前、自身の表現のメッセージをなんとかして障がいをお持ちの方にも伝えたい、ということで、自分のライブでラップの一語一語に手話の同時通訳まで導入しちゃう方です。ポップカルチャーの世界でも、もっともっとバリアフリー化が広まっていくことを願っています。僕が行くサマーソニックでは、会場のかなり前方にハンディキャップエリアがあったり、フジロックフェスティバルでは、障害者手帳をお持ちの方の事前の連絡先があったり、とフェスによっても様々なバリアフリー化がなされています。疑問点がある方は、夏フェスベテラン点字図書館の西田までお問い合わせください。

では、皆様のご意見、ご感想お待ちしています。図書館だより担当西田まで、よろしくお願いします。

 

 

「図書館だより」201号
発行日  令和5年8月10日
発 行  山形県立点字図書館
〒990-0031
山形市十日町1-6-6
電話 023-631-5930
FAX 023-627-1118
メールアドレス yamaten@ic-net.or.jp

2023/08/10/