情報センターだより211号(令和7年4月)
山形県視覚障がい者情報センター
目次
お知らせコーナー
「視覚障がい者のための料理教室レシピ」のご紹介
「小さな助け合いの物語賞」エッセーのご紹介
みんなの広場
所長室から
職員のフリートーク
<図書紹介>
デイジー図書(CD)
点字図書
テキストデイジー図書
編集後記
お知らせコーナー
*情報センターからのお知らせ
・正式名称が「山形県視覚障がい者情報センター」となりました。
4月から点字図書館は、正式名称が「山形県視覚障がい者情報センター」となりました。情報センターでは、図書の貸出業務の他に視覚障がい者への相談対応、情報機器の貸出、新聞等の情報の提供、生活用具の紹介・斡旋など視覚障がい者等が必要とする様々な情報提供を行っています。これからは、より業務の実態に合った名称となります。皆様に一層認知していただき、多くの方々に情報をお届けできるよう取り組んでまいります。お困りごとなどありましたら、お気軽にお声がけいただければ幸いです。
・情報センターの日曜日の開館について
4月から視覚障がい者情報センターは、第4日曜日を開館します。ただし、冷暖房が使えないことなどから、7月、8月の夏季と12月~3月の冬季間は除きます。
2025年度の開館日は、4月27日、5月25日、6月22日、9月28日、10月26日、11月23日の予定です。
皆さまのご利用を、お待ちしています。
・「情報センターだより 電子メール版」について
情報センターでは、3月から「情報センターだより 電子メール版」を発行しています。通常の発行では、間に合わない情報や、よりタイムリーな情報をお届けするために、奇数月の月末に発行予定です。
なお電子メール版は、情報センターだよりのメール版をご利用の方にお送りしています。メール版に切り替えをご希望の方は、センターまでご連絡ください。
*山形市視覚障害者福祉協会からのお知らせ
みなさん、こんにちは。山形市視覚障害者福祉協会で会長をしております三浦保志です。この度、2004年アテネパラリンピックの視覚障害者男子マラソンで見事、、金メダルに輝いた高橋勇市さんをお招きして講演会を開催する運びとなりました。山形ライトハウス構想推進協議会との共催です。タイトルは「私のマラソン人生 今、あなたに語りかけたいこと」です。高校時代は普通の選手だった高橋さんが視覚障害者になってから努力を重ねて、当時の世界最高記録を叩き出し、日本代表となり金メダリストになるまでの努力の道のりは、障害のある人、ない人双方に学びと気づきをもたらしてくれると思います。参加費は無料ですが、三浦まで電話かメールでご参加を教えていただければと思います。期日は5月24日土曜日の午後5時からで、場所は山形駅西口、霞城セントラル23階、高度情報会議室です。なお、せっかくの機会ですので午後7時からは高橋さんを囲んで24階で懇親会を開催します。参加申し込み、懇親会などの問い合わせは三浦(TEL080-6291-7240、メール yasu2020724gorin@gmail.com までお気軽にどうぞ。
*やまがたの「つくる」を見つめるgiinika[ジーニカ]の製作について
標記の刊行物を、山形でテキストデイジー図書として製作いたします。春と秋の年二回刊行予定です。サピエ図書館からのダウンロード等でご利用が可能です。
山形のカルチャーや福祉、市民活動などの歴史や背景などが深く掘り下げられています。ぜひ、ご一読くださいませ。
今のところ2024年秋号が、サピエ図書館でご利用頂けます。この号では「音と言葉」という特集の中で、視覚障がい者ピアノ調律師の酒出直人さんの記事が、大きく載っています。
次号の2025年春号では、先日上映会のあった映画「こころの通訳者たち」の特集や、不肖ながら・・・わたくし西田も原稿を寄稿予定です。出来ましたら、またお知らせさせていただきます。
*日本盲導犬協会からのお知らせ
第81回短期視覚障害リハビリテーション開催のお知らせ
見えない・見えにくい中で少しでもスムーズに日常生活を送るための訓練です。
期間中は仙台訓練センターに宿泊します。
【日程】
2025年6月2日(月)から6月6日(金)(4泊5日)
【対象】
視覚に障害があり(手帳の有無は問わない)下記プログラムを希望される方
東北6県および新潟県にお住まいの方
今まで短期視覚障害リハビリテーションに参加したことがない方を優先します
【定員】 若干名 ※先着順ではありません。
【費用】 9,000円
プログラム内容 (ご希望する内容を行ないます)
白杖を使った歩行訓練(白杖の選び方・使い方、住宅街等の歩行、電車やバスの利用)
日常生活動作訓練(調理や掃除・洗濯などの動作、工夫のしかた)
ICT訓練(パソコン、携帯電話、視覚障害者用ポータブルレコーダーなどの使い方)
点字訓練(点字の読み方の基礎、書き方の基礎)
ロービジョン訓練(保有視覚の確認やその活用方法)
盲導犬歩行体験
【申し込み方法】
受付期間中に、仙台訓練センターまで申し込み用紙を郵送またはFAXでお送りください。申し込み用紙をお持ちでない方はお送りいたしますのでお電話ください。
【申し込み締め切り日】
2025年5月2日(金)まで
【問い合わせ・申し込み宛先】
公益財団法人 日本盲導犬協会 仙台訓練センター 視覚障害サポート部
〒989-3163 仙台市青葉区茂庭字松倉12-2
TEL:022-226-3910 FAX:022-226-3990
「視覚障がい者のための料理教室レシピ」のご紹介
先日、山形市視覚障害者福祉協会の主催で、料理教室が開催されました。
以下にそのレシピを、掲載させていただきます。
三浦会長のご紹介文とあわせて、お楽しみください。
「先日、私どもは視覚障害者のための料理教室を開催しました。秋田県協会副会長の高橋順子さんなどからのアドバイスを参考にして、会員の菊地照美さんが、火も包丁も使わないで、シーフードピラフ、ツナサラダ、抹茶ババロアをみんなで作り、楽しくいただきました。以下にレシピを記載しますので、週末などチャレンジしていただき、楽しいひとときをお過ごしいただければと思います。以下、レシピです」
菊地照美先生の厨房から
〇シーフードピラフの作り方
材料 (4人分)
米 3合、シーフードミックス 120グラム、市販のパスタソース(ボンゴレ1袋)120グラム、コンソメ 小さじ2~3、塩コショウ少々、チューブバター
1 .研いだお米にパスタソース1袋を投入してから3合分の 水加減。
2 .シーフードミックスを入れる。
3 .コンソメ、塩コショウを入れ、炊飯器で炊く。
4 .炊き上がったらチューブバターを回し入れ味を調える。
〇簡単ツナサラダの作り方
レタスを手でちぎり、ツナ缶、マヨネーズで和えて完成!
〇抹茶ババロアの作り方
材料
牛乳 200cc、生クリーム 100cc、抹茶カフェスティック1本、ゼラチン5g
1 .生クリームを7分立てにあわ立てる。
2 .牛乳をレンジで軽く温め、ゼラチン、抹茶カフェスティックを入れ溶かし混ぜる。
3 .1に2を3回程度に分けて混ぜ合わせる。
4 .容器に流し込み冷蔵庫で冷やし固める。
レシピのご紹介ありがとうございます。
実は、わたくしもこの料理教室に参加させていただいたのですが、 参加者みんなで和気あいあいと料理をして、談笑しながらおいしい料理をいただく、というとっても素敵な教室でした! 本当に包丁も火も使わないで、こんなにおいしい料理がつくれちゃうんだ~ とビックリでした。
後日、自宅で僕もピラフづくりにチャレンジしたのですが・・・ まあおいしかったけどさ・・・ みんなで食べた時のようにおいしくはならなかったんだよね・・・腕が悪いのかな・・・
またチャレンジしたいと思います。みなさんもぜひおすすめレシピなど教えて下さい!
「小さな助け合いの物語賞」エッセーのご紹介
金融機関の信用組合が主催で公募している「小さな助け合いの物語賞」をご存知ですか? 毎年、助け合いをテーマにしたエッセー・作文を募集し、入選した作品には賞が送られます。その中で、令和6年度(第15回)の「しんくみきずな賞」の白杖の女性が登場するとっても素敵な作品があったので、どうしても皆さんにも紹介したくって・・・ 転載させていただきます!
【しんくみきずな賞】 白杖の女性と大阪のおばちゃんと
松木園 紗絵
電車で帰宅途中の出来事です。その日は出張からの直帰で、いつもより早い時刻の電車に乗っていました。夕方の早い時刻とはいえ、座席は満員で、混雑している車内。出張疲れの中、自宅の最寄である終点駅に向けて走る電車に揺られていました。
あと三駅で終点駅、というところで、白杖を持つ若い女性が乗ってきました。私は邪魔にならないように出張の荷物を脇へよけたり、体位をよじったりして私なりにその女性に配慮したつもりでした。ちょっとでも女性が快適に乗車できるように、と。その時、私の背後から年配の女性が声をかけました。「白杖のお姉ちゃん、吊革ここよ、ここしっかり持つんやで。」白杖の女性はびっくりしながらも、「ありがとうございます。」とはにかみながら会釈しました。年配の女性は続けます。「おばちゃん、おせっかいかもしれへんけど、ほっとかれへんわ。あと二駅で降りるけど、できることあったらなんでも言うんやで。」すると、白杖の女性が軽く嗚咽をもらして、こう答えたのです。「おせっかいなんかじゃありません。私、いつもこの電車に乗るんですが、こんなに優しい声掛けをしてもらったのは初めてです。私、全く目が見えていなくて、みなさん気を遣ってくれたりしてるんだと思うんですけど、直接その優しさを感じられて嬉しかったです。」と。
私は、自分なりの配慮が白杖の女性には伝わっていない、自己満足であることを恥じました。同時に、できることはないか聞く、という「大阪のおばちゃん」の行動力に「温かい」を通り越して「熱い」ものを感じ、疲れていた私も活力がみなぎりました。気づいたら、私は女性に声をかけていました。「終点駅まで乗るようでしたら、私が改札まで案内しますよ。」と。
白杖の女性は私の声に振り向くと、満面の笑みで「終点まで乗ります。いつも一人なんで、今日はお願いしようかな。」と言ってくれました。もしかしたら、本当におせっかいだったかもしれません。でも、声をかけなければ、私の気持ちも伝えられなかったかもしれません。私の「形に見える思いやり」に背中を押してくれたおばちゃんは、「あんたもええ子やな。ほな、頼んどくで。」と私に手を振り、一足先に下車しました。私は、女性と「顔を見合わせて」ふふっ、と笑いながら、おばちゃんに「ありがとうございました」と一礼しました。顔を見合わせているその女性に私の姿は見えていないかもしれませんが、たしかに、お互いの心は通じ合っていました。
改札までの短い時間、私たちはたわいのない話をしながら、一緒に歩きました。改札で別れる時、女性に言われたこの言葉、そして笑顔が今でも疲れを飛ばしてくれるくらい私の胸を熱くさせてくれます。「今日が今までで一番楽しい通勤時間になりました。ありがとう。」
二人の女性からたくさんのことを教わった、私の大切な思い出です。
いかがでしたか? とっても素敵なお話ですよね。うーん、僕も何度か白杖持っている方にお声がけしたことはあるんですけど・・・ こんな風に、しっかり心に刻まれるほど積極的に関わったことあったかな、って・・・ とても反省しました。人と人がしっかりと向き合えば、いろんなことが絆や感情が生まれてくる・・・ このエッセーがいろんな人の目に留まれば、もっと住みやすい世の中になっていくのかな・・・ なんて思っちゃいました。
このエッセーも載っている「第15回小さな助け合いの物語賞」の冊子を、お送りいただきましたので、ご希望の方には差し上げます。情報センターまでご連絡ください。また下記のリンクから、朗読の動画や上位入賞作品を原作にしたパラパラ漫画動画などもご覧いただけます。
https://www.shinyokumiai.or.jp/overview/about/pr.html#award
なお令和7年度(第16回)の応募期間は令和7年6月1日(日)~9月5日(金)となっており、応募詳細は6月1日(日)から下記よりご覧になれます。
https://www.shinyokumiai.or.jp/overview/about/pr.html#writing
皆さんも、こんなことしてもらってうれしかったよ~ なんていうエピソードありましたらどしどしお便りください。楽しみにしてます。
みんなの広場
山形市の加藤則夫さんから、投稿をいただきました。
「指定避難所について災害時にはそれぞれ指定された避難所があります。私の指定避難所は第5小学校になっています。私は、関係機関や関係者に、避難所の中を覚えたいので入らせてもらいたい、と何度も話をしています。4年前からです。いまだに実現していません。
避難所で24時間お世話してくれる人がいれば問題はありません。そのような人は配置されていません。これまで大きい災害で避難所で生活した障碍者からはお世話してくれた人はいなかったと聞いています。酷すぎて2度と避難所には行きたくないと言っています。私は1人でトイレや出入り口などに行き来できるようにしておきたいのです。それが避難所で安心して生活できる最低必要なことだからと考えています。それをこれまで何度も伝えてきましたがわかってもらえません。
異常気象です。大雨、大雪は頻繁におこるものと考えられます。県内には大きい活断層が4本あります。庄内活断層、最上活断層、村山活断層、置賜活断層です。庄内活断層は何度か動いています。その他のものは千年以上動いていません。いつ動いても不思議でないと言われています。どんな災害が発生しても対応できるようにしておくことが求められていると思います。備えあれば憂いなしと言う教えがあります。私たち1人1人が考えて準備しておかなければいけないものと思います。
私は第5小学校の他に山形大学を考えています。昨年10月から山形大学の体育館に出入りさせてもらっています。1人でトイレや出入り口など行動できるようになっています。私の家から体育館までも1人で行き来できます。安心できる、居心地の良いところを作っておくこと、もつことが私たちには必要だと思います。」
加藤さん、ありがとうございました。加藤さんの災害に対する危機感がとても伝わってきて、背筋の伸びる思いがしました。
天童市の結城功治さんは、前回は全国障害者スポーツ大会の銀メダルの報告をいただきましたが、今号では、一月に東京であった福祉装具展示会について、ご報告をいただきました。
「一昨年前まで、東京の八王子で暮らしていたのですが、この度、八王子視覚障がい者福祉協会の主催で、福祉装具展示会があったので行ってきました。来場の方が結構いて賑わっていました。展示は、5ブースありました。いろいろと体験してきました。
・歩行アシストAIカメラ「seeker(シーカー)」
ヘッドフォン型の内蔵カメラを首から下げ、カメラを通じてAIが、映る景色を読み取り、危険なものがあれば察知する。車、信号、障害物等を認識する。実用化は、今年の末くらいを予定。
・「ファミリーズアイ」
首掛けのヘッドフォン型でカメラが内蔵。もしくは白杖に取り付ける。カメラが視覚障がい者の目になる。向かう方向のカメラがとらえた映像を家族の方などが、アプリをダウンロードした画面で見ることができる。例えばバス停に行くとき、歩いている映像を見れる。間違いなどは、音声で伝えることができる。
・「ダイナグラス」
複合型の補装具。数種類のモードがあり、モード切替のリモコンを持つ。ヘッドフォン型の首掛けのカメラが映像を伝える。またはメガネの真ん中に付く。「歩行案内モード」にすると順路を教えてくれる。合っていれば「ピッピッピ・・・」と音がし、外れると音声で教えてくれる。また信号も教えてくれる。八王子では、実用化されている。」
結城さん、ありがとうございます。他にも、歩行ナビゲーション装置の「あしらせ」や、株式会社システムギアビジョンの機器の展示もあったそうです。今回、結城さんに情報教えていただいた機器については、また詳しくご紹介していければ、と思います。
結城さんは、以前住んでいたところ、ということで八王子には飲み仲間もたくさんいるらしく・・・ 夜は日付が変わるまで、飲みながら旧交を温めていたそうです。楽しそう! またのお便りお待ちしています。
先月は、映画「こころの通訳者たち」のバリアフリー上映会も行われました。感想を天童市の大場るり子さんから頂いています。
「映画鑑賞会お疲れ様でした。ありがとうございました。多くの方々が入館されて良かったですね。遊学館を出たところで、手話で会話している方々を見かけました。聴覚障がいの方もけっこう観てくれたのだ、と安堵しました。内容が難しかったのと、場面が変わるのが多かったから理解するのに一瞬? 戸惑ったのと、音声が高く頭に響いた!と健常者の友達と私の感想でした。ただ、目が見えない・耳が聞こえない人にも映画を楽しめるようにと企画したことには感動しました。素晴らしいです。機会があれば田端のユニバーサル映画館に寄ってみたいな!と思いました。毎週手話サークルに参加しているのですが、今は相手の手話を読み取りはできなくなりました。本来は、手話の勉強の時は声を出さない、がルールです。でも、見えない私のために声を出してくれます。いつも 皆の手話の勉強に邪魔にしているのでは?と思っていました。昨日の映画を観て、見えない、聞こえない人と共に生きる! 心に刺さりました。エンディングの曲が流れたら 暖かい内容が心に響き涙が流れました。とても感動した日でした。ありがとうございました。」
大場さん、上映会の感想ありがとうございます。
書いていただいている通り、会場は視覚障がいや聴覚障がいの方、車いすの方、そして当センターのボランティアさん、そしてもちろん映画の好きなたくさんの一般の方がご来館され・・・すごい熱気に包まれていて、僕も感激しました!当センターの利用者さんも多数いらしていただき・・・ありがとうございました!
上山の伊沢恵さんからも、広島への旅行の体験記を頂戴しました。伊沢さんは、盲導犬ユーザーで愛犬のすらん(愛称:すーちゃん)との旅行です。
「この旅行は、私たち日本盲導犬協会のユーザーの会が企画したものでした。新型コロナが蔓延し外に出ての外出が自粛となる中、本当にひさしぶりの開催でした。まだパートナーを組んで日も浅いので、どうかなぁと思いましたが、すーちゃんとこれから暮らしていく上で成長の機会になるのではないかと思い、思い切って申し込みました。
広島に着いたのは午後2時過ぎ、 その日は広島の交流センターと言うところに泊まり夜は参加したユーザーさんと一緒に広島のお好み焼きの老舗の「みっちゃん」と言うお店でみんなでワイワイ。
次の日は広島市内から船に乗って世界遺産の厳島神社に行きました。厳島神社には鹿さんがいて、鹿には注意するようにと言われましたが、誰も鹿に襲われることなく無事に観光楽しめました。
2日目は広島と言えば多分メインになるかと思いますが、原爆ドームと平和記念公園の散策でした。まず最初に入ったのは平和記念公園でした。平和記念公園では視覚障害者のために写真の解説が聞ける機械を1人1台ずつ渡され原爆が投下されてからの広島の様子を聞きました。その中で私が本当に涙が止まらなかったのは、小さい子が3人車に乗ったまま黒焦げになって死んでいる写真の解説でした。原爆が投下された直後に、皮膚がむけて歩く写真の解説は、いたたまれず途中で聞くのをやめました。
毎年テレビのニュースで8月15日にNHKで追悼式の場面は見ていたものの、直に行ってみるとこんなに悲惨なことが起こっていたんだ、ということが肌で感じられて、改めて戦争は二度としてはいけないと思いました。そして世界の政治家の人に言いたいのは自分の国を守るためとはいえ、核兵器は絶対使わないでほしい、と思いました。」
伊沢さん、ありがとうございます。楽しい様子が伝わってきながらも・・・平和記念公園で感じた、正直な気持ちもしっかり書いていただき、伊沢さんの思いが、読んでいる人に生々しく伝わってくる文章だと思いました。ありがとうございます。ちょっと読んでるだけで涙がでてきてしまいますね。僕も戦争について、改めて考えるいい機会になりました。またどこかにお出かけになった際は、レポートお待ちしています。
今回もたくさんの投稿をご紹介させていただきました。みなさん、見えなくても見えにくくても、自分のしたいことや考えを、勇気を持って実践している様子が伝わってきました。僕は「ボーっと生きてんじゃねーよ!」と皆さんに言われた気分です(笑)。僕も前向きに生きていく元気をもらいました!
所長室から(退任のご挨拶)
元所長 佐藤孝喜
春の陽気が感じられる今日この頃、皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたび、私が3年間務めさせていただいた点字図書館(通称:山形県視覚障がい者情報センター)の館長を3月をもって退任することとなりました。ここに至るまで、職員をはじめ、利用者やボランティアの皆様など多くの方々に支えられ、またご指導を賜りながら務めてこられたことを、心より感謝申し上げます。多くの方々と出会い、学び、業務を進めてこられたことは私にとってかけがえのない経験となりました。
令和4年度は、新型コロナが収まらぬ中で、ZOOMを多用したリモートでの講習や体験会を余儀なくされましたが、令和5年度以降は県内4地域を回り、利用者の方々と情報交換会などを行うことができました。また、令和5年度は全国視覚障害者情報提供施設大会の本県開催や吉村知事の来館などがありました。令和6年度には県立図書館と読書バリアフリーの連携事業を行ったことも印象に残っています。
点字図書館は、点字図書・録音図書の制作、貸出だけでなく、これらを制作してくださるボランティアの養成・育成、視覚障がい者等の相談対応、新聞情報の提供、情報機器の貸出、スマホやアプリの使い方の研修会や体験会、福祉制度等に関する情報提供、福祉機器の紹介・斡旋、視覚障がい者への理解の促進など視覚障がい者に関する様々な事業を実施してきています。
業務の内容がより伝わりやすいようにと、令和6年度からは情報センターを通称として、令和7年度からは正式名称として使用することとなりました。また、家族の方々も同行しやすいように4月から6月、9月から11月と限定的ではありますが、第4日曜日を開所することといたしました。情報センターとしての認知度が高まり、視覚障がい者の皆様にこれまで以上に身近な施設として、より多くの方々に利用していただけたら幸いです。
最後になりますが、山形県視覚障がい者情報センターが皆様のご期待に応え、より充実したサービスを提供できるよう、職員一同、そして関係者の皆様が一丸となって取り組んでいかれることをお祈り申し上げます。
職員のフリートーク
情報センターだよりをご利用の皆様こんにちは。点字図書貸出担当の矢田目真美です。ようやく春風が心地いい季節となりましたね。今年は雪が多かっただけに寝ても覚めても雪かきと雪道の心配ばかりでしたので、暖かくなって一安心です。
今回は私がホッと安心した本をご紹介します。昨年テレビで取り上げられていた料理研究家の土井善治の「一汁一菜でよいという提案」です。タイトルの通り、日々の食事はご飯と具沢山の味噌汁で充分、あれば漬物を添えましょうというものです。レシピは一部分だけなのですが、料理から見た日本の文化や、季節の食材を使った味噌汁が如何に理にかなった健康的な食事であるかを教えてくれています。時折、今日のごはんはどうしたらいいかわからなくなったり、一汁三菜や一日30品目を使った食事などと聞くとげんなりしてしまう私にはタイトルだけでありがたい話です。フランス料理と日本料理のお店で修業された著者がこう言ってくださると気持ちが楽になりました。テレビで拝見した土井先生はとても物腰の柔らかい関西弁でお話しになるのですが、共演者に「じゃがいもの皮は剥かなくていいんですか」と聞かれたときには「皮には大事な栄養があるんです!」と熱く反論したり、調味料の分量を説明しているときも「今日の気分で足したり減らしたりしたらいいんです」と言ったりします。料理について真剣であったり適当であったりと飾り気のない人柄がにじみ出ていて面白く、一汁一菜を推奨するのではなく提案しているというところが受け入れやすいです。自分は作ることに対して頑張りすぎていた、食べることに対して欲張りすぎていたと反省すると同時に、味噌汁とご飯は質素な食事ではなく由緒あるご馳走なのだと気づかせてくれる本でした。
ご興味のある方は一度どうぞ。
・「一汁一菜でよいという提案」土井善治 点字3冊、デイジー1巻
〈図書紹介〉
始めに番号をつけましたので、リクエストの際は番号をお伝えください。
デイジー図書
1 のし梅の歴史
のし梅本舗 佐藤屋 著 46分
文政四年の創業以来、佐藤屋の看板商品として店を支えてくれている「のし梅」の歴史を菓子屋の目線でまとめてみました。
2 ネットでいじめられたら、どうすればいいの? 5人の専門家と処方箋を考えた
春名 風花 著 河出書房新社 6時間32分
24時間、365日やってくるSNS時代のいじめ。誹謗中傷を経験した著者が、予防策や法的な対処のしかた、心理的なケアの方法をさぐる。
3 いじめ加害者にどう対応するか 処罰と被害者優先のケア 岩波ブックレットNo.1065
斎藤 環,内田 良 著 岩波書店 2時間05分
精神科医と社会学者が、いじめを取り巻く人々の意識データ、スクールカーストの構造等から迫り、被害者優先のケアのあり方を論じる。
4 化学で世界はすべて読み解ける 人類史、生命、暮らしのしくみ
左巻 健男 著 SBクリエイティブ 5時間23分
「氷は0℃」は大間違い?小魚には純粋なカルシウムは含まれていない?化学を身近な問いから解き明かし、楽しく学べる入門書。
5 倭寇 わが天地は外海にあり
高橋 直樹 著 潮出版社 8時間00分
南北朝の戦いに敗れた熊野衆の未来は、一人の若人の手に託された。故郷を追われ、「海賊」と蔑まれた男たちの起死回生の物語。
6 5分後に大号泣のラスト
エブリスタ 編 河出書房新社 3時間57分
小説投稿サイト・エブリスタに集まった17万作超の中から、恋愛や親子愛、友情などの感動のストーリーを10作品収録。
7 学校がウソくさい 新時代の教育改造ルール
藤原 和博 著 朝日新聞出版 7時間52分
中学校校長などを務めた教育改革実践家が、社会からのプレッシャーで虚像になってしまった学校の実態に「原点回帰」の処方を示す。
8 非出世系県庁マンのブルース
高 啓 著 高安書房 7時間53分
わが辞書に『忖度』なし!山形県庁の日陰者だった著者が記す清濁まるごとの〝知られざるささやかな県政史かつ自分史〟の試み。
9 余命10年 血液のがん多発性骨髄腫になって、やめたこと・始めたこと。
岸 博幸 著 幻冬舎 4時間34分
人生の締め切りがわかってラッキーだった。多発性骨髄腫になった元官僚の大学院教授が悟った、究極の生き方を綴る。
10 一生お金に困らない脳の使い方
茂木 健一郎 著 リベラル社 3時間44分
お金は脳が稼いでいる!脳科学者の著者が、「一生お金に困らない人たち」に共通している脳の使い方について、実体験をもとにやさしく解説する。
11 トランプ人気の深層
池上 彰,佐藤 優,デーブ・スペクター,中林 美恵子,前嶋 和弘,高畑 昭男 著 宝島社 5時間40分
2024年11月のアメリカ大統領選挙。なぜトランプは人気なのか?もしトランプが大統領になったら?6人の識者が分析する。
12 5分後にごちそうさまのラスト
エブリスタ 編 河出書房新社 3時間35分
小説投稿サイト・エブリスタに集まった17万作超の中から厳選した、おいしいだけじゃない心あたたまる9つの物語。
13 お前より私のほうが繊細だぞ!
光浦 靖子 著 幻冬舎 5時間17分
幸せになっていいのでしょうか。日常に影を落とすお悩みには、皮肉と自虐たっぷりのアドバイスが効果的。笑えて役に立つお悩み相談エッセイ。
14 茶の湯の冒険 「日日是好日」から広がるしあわせ
森下 典子 著 文藝春秋 4時間46分
映画「日日是好日」の原作者・森下典子は茶道指導スタッフとして映画づくりに参加することに。その愛おしくも怒濤の日々を綴る。
15 寿司屋のかみさん 新しい味、変わらない味
佐川 芳枝 著 青春出版社 3時間31分
アナゴの新しい食べ方、ホタテ貝の握りとつまみ、トロづけ炙りの進化…。先代から二代目へと引き継がれた名店の悲喜こもごもを綴る寿司エッセイ。
16 幸せな人生のつくり方 今だからできることを
坂東 眞理子 著 祥伝社 3時間26分
私たちはどう生きれば幸せになれるのか。「常識を捨てる」「大切な人を大事にする」「他人の成功を喜ぶ」…。「今」を充実させるためのヒントを紹介する。
17 人に優しく、自分に甘く 楽しい人生を生きる宇宙法則
小林 正観 著 三笠書房 5時間07分
“ものの見方の達人”が、楽に楽しく生きる法、幸せとお金の宇宙法則、ありがとうの奇跡などを説く。
【厚生労働省委託】
18 スーパーマンは来ない 米国の水汚染と私たちにできること
エリン・ブロコビッチ 著 旦 祐介 訳 21時間11分
19 14歳からの文楽のすゝめ
竹本 織太夫 監修 4時間50分
【寄贈】
20 遊びをせんとや 古田織部断簡記
羽鳥 好之 著 10時間19分
21 歌われなかった海賊へ
逢坂 冬馬 著 小林 親弘 朗読 13時間11分
22 さやかに星はきらめき
村山 早紀 著 紺乃 千鶴 朗読 13時間24分
23 グレイラットの殺人
M.W.クレイヴン 著 東野 さやか 訳 藤井 剛 朗読 16時間35分
24 彷徨える艦隊12 特使船バウンドレス
ジャック・キャンベル 著 月岡 小穂 訳 16時間52分
25 三体Ⅲ 死神永生 上
劉 慈欣 著 大森 望,光吉 さくら,ワン・チャイ,泊 功 訳 祐仙 勇 朗読 17時間27分
26 三体Ⅲ 死神永生 下
18時間14分
27 シャードッグ・ホームズ1 ふたりといっぴき探偵団
イサック・パルミオラ 著 轟 志津香 訳 1時間48分
28 樹木が地球を守っている
ペーター・ヴォールレーベン 著 岡本 朋子 訳 12時間49分
29 両京十五日1 凶兆
馬 伯庸 著 齊藤 正高,泊 功 訳 21時間59分
点字図書
1 ウォンカとチョコレート工場のはじまり
シベアル・パウンダー 文 評論社 全3冊
ウィリーの子どものころからの夢は、チョコレートをつくって世界中の人たちに楽しんでもらうこと。若きウィリーがやってきたのは…。「チャーリーとチョコレート工場」のウィリー・ウォンカの若き日の物語。映画のノベライズ。
2 乙女の教室
美輪 明宏 著 集英社 全2冊
みっともないことは、しない。言わない。聞かない。それが乙女です。奥ゆかしさ、思いやり、品、感謝、優しさ…。美輪明宏が大切にしている24の「美しい心のあり方」を説く。「美輪語辞典」付き。
3 透明なルール
佐藤 いつ子 著 KADOKAWA 全2冊
「人にどう思われるか」を気にしすぎる女子中学生が、不登校ぎみの転校生やマイペースな学級委員との交流を通じて、自分を縛る〈透明なルール〉に気付き…。空気の読み合い、息苦しさの先に見つけた希望の物語。
4 チビとサンタの狂騒曲
飯田 里生子 著 文芸社 全1冊
4人家族の家に上がり込み、家猫となったチビ。穏やかに過ごしていた6年後、子犬のサンタもやってきて…。独りぼっちだった子猫と子犬が保利田家の家族となって繰り広げる物語。
5 どうせ一度きりの人生だから
川嶋 朗 著 アスコム 全2冊
「やりたいことをもう先送りにしない」「人を恨み続けることは自分の損になる」「普段から家族と死について話す機会をつくる」…。たった1度の人生を、悔いなく生きるためのヒントを医師からのやさしい視点で語ります。
6 弁当探偵 ― 愛とマウンティングの玉子焼き
遊川 ユウ 著 集英社 全3冊
医科大学の教務課に勤める22歳の典子は、面倒臭がりだが、いつか弁当作りに挑戦したいと思っている。ある日の昼食どき、料理上手の先輩のお弁当が玉子焼きだけ失敗作なのが気になって!? おいしいランチミステリー。
7 望みの薬種 ― 大江戸監察医
鈴木 英治 著 講談社 全5冊
卓越した医術の腕を見込まれて、薬種問屋・和泉屋の預かり医師となった仁平。だが主人が瀕死の病状に。仁平は店の中の者の仕業だと疑うも、町奉行所同心の牧兵衛に探索を依頼するが…。書き下ろし医師もの時代小説。
8 京大相撲部まったなし!たんぽぽの咲く土俵
希戸塚 一示 著 文芸社 全3冊
赴任先の京都で、何もかもうまくいかない日々を送る25歳の佐藤は、鬱々とした心を抱えたまま立ち寄った神社で相撲大会を見た。そこで清々しく負けていた京都大学相撲部に、いつの間にやら彼も入部することになり…。
9 教養になる超雑学 ― 人に話したくなるほど面白い!
近藤 仁美 編 永岡書店 全3冊
ピラミッドのてっぺんには昔なにがあった? AはなぜAと書く? フランス皇帝・ナポレオンがハマっていた占いは? クイズ作家が、教養の入り口になる雑学を紹介する。
10 あやふやで、不確かな
宮田 愛萌 著 幻冬舎 全2冊
どこにでもいる普通の女の子、冴。冴の愛を信じられなくなった伸。自分が恋人のことを愛しているかわからなくなった成輝。恋人との絆を強くした智世。冴のことを忘れられない真澄-。4組それぞれが抱える恋心を丁寧に描く。
11 キレイはこれでつくれます
MEGUMI 著 ダイヤモンド社 全2冊
スキンケア、メイク、体、髪、心…。キレイになって自分をもっと好きになる! プチプラコスメから美容医療まで、1000以上の美容法を試した美容オタクMEGUMIが、本当に良かったアイテム、ハウツーを紹介する。
12 ナイチンゲール7世
小林 光恵 著 イースト・プレス 全3冊
ナイチンゲールの子孫で看護師の橘高朱里(ナイチン)は、先祖の血を受け継ぎ、ハーバード大学医学大学院を首席卒業。比類なき能力で医者たちを凌駕し、日本の医療の闇に斬り込む。天才ナースが繰り広げるメディカル・ノベル。
13 奇跡のプリマ・ドンナ ― オペラ歌手・三浦環の「声」を求めて
大石 みちこ 著 KADOKAWA 全4冊
オペラ〈蝶々夫人〉の海外2000回公演、財界人・芸術家が周囲を彩った数奇な運命…。明治~昭和期に「声」ひとつでプリマ・ドンナの階段を駆け上がった三浦環。膨大な資料から、その人間像とドラマを綴るノンフィクション。
14 アンネ・フランクの奇跡
橋本 喜代次 著 東京図書出版 全2冊
遥香が閉じこもる狭い部屋に、アンネ・フランクたちが突然現れる。そして強引に住み着いていく。アンネたちはここで奇跡を待つのだと言う。当惑し混乱し反発する遥香。だが、やがてアンネとのあいだに深い友情が芽生え…。
15 いつか、アジアの街角で
中島 京子・桜庭 一樹 ほか 著 文藝春秋 全2冊
台湾出身だと語る風変わりな青年、探偵屋に漂うルーロー飯の香り、異国の地でひっそりと暮らす男性に打ち明けた思い…。人気女性作家6人による、珠玉のアジアン・アンソロジー。『オール讀物』掲載を文庫化。
〈委託〉
16 オリヒメ ― 人と人をつなぐ分身ロボット
吉藤 オリィ・加藤 悦子 著 子どもの未来社 全1冊
東京にある「分身ロボットカフェ」では、オリヒメというロボットがコーヒーを入れたり食べ物を運んだりしてくれます。ロボットたちを操作しているのは、障害などが理由で行きたいところへ行けない日本中のパイロットたちです。なぜ分身ロボットが生まれたのか、開発者・吉藤オリィさんの生い立ちから、その軌跡を追います。オリヒメの姿がわかる触図があります。
17 せっしゃ、なべぶぎょうでござる!
しめの ゆき 著 ポプラ社 全1冊
普段は仲良しの鍋田一家ですが、食べ物の好みはばらばら。夕ご飯が鍋となると、味つけや材料をめぐっていつもバトルになってしまいます。ある日末っ子のヒロが、家族それぞれの好きなものを入れた鍋をつくると、そこからお侍の姿をした鍋の精「なべぶぎょう」が現れた!みんなで仲良くひとつの鍋を食べたいと願うヒロは、なべぶぎょうに鍋の極意を教わっていきます
18 それでもがんばる!どんまいなもふもふどうぶつ図鑑
今泉 忠明 監修 宝島社 全1冊
思わず抱きしめたくなるもふもふの毛をまとった動物たち。でもその毛を放っておくと巨大な毛玉化してしまうウサギや、重くて動けなくなってしまうヒツジなど、もふもふゆえの悩みもあるのです。もふもふ動物たちのクスッと笑える習性やふしぎな体について、解説していきます。
19 推しトモ
吉田 桃子 著 PHP研究所 全2冊
中学一年生の唯は友だちゼロ。成績は普通、運動もクラスの子と話すのも苦手で、好きなものが特にないから友だちができるきっかけもない。孤立した学校生活を送っていた唯はある日、偶然アイドルのゲリラライブに遭遇し、メンバーの一人に目を奪われる。そこで出会った個性的な女の子スウと推し活をしているうちに、冴えなかった唯の毎日が変わりはじめる。
20 中学生のためのテストの段取り講座
坂口 恭平 著 晶文社 全3冊
中学生の娘から「テスト勉強のやり方がわからない」と言われたお父さんが伝えたのはたった一つ、「テスト勉強のスケジュール表を作る」こと。段取りを覚えると、テストの成績が上がるだけではなく、大人になって自立して生きていく力にもなります。学校では教えてくれない、世界が変わる魔法の「時間割り」の組み立て方。
21 妖怪コンビニ2 化けねこ店長vsコンビニ害獣
令丈 ヒロ子 著 あすなろ書房 全2冊
人外専門「ツキヨコンビニ」で、新メニューを考えるセンスが認められ、コンビニ・アドバイザーに就任したアサギ。お月見イベントの企画で忙しくしていたアサギやうめ也店長の前に、小さい女の子のユーレイ・ゆうちゃんが現れた。仲良くなったゆうちゃんや常連客たちを招いたイベント当日、事件が起こってしまい…。コンビニ害獣の正体とは?
22 水辺のワンダー ― 世界を旅して未来を考えた
橋本 淳司 著 文研出版 全2冊
世界各地の水辺を旅しながら水と人の暮らしについて考える「水ジャーナリスト」である著者は、取材を続けるうちに気候変動を意識するようになりました。ある時は水の恵みを奪い、またある時は水害で甚大な被害を及ぼす「水問題」は、水に問題があるのではなく、行きすぎた人間の活動が水に映ったものなのです。著者が国内外で見聞きした様々な問題や対策を知ることで、水について考え、行動するきっかけとなる一冊。
23 アンネの日記 ― 言葉はどのようにして人を救うのか
小川 洋子 著 NHK出版 全2冊
第二次大戦下の1942年、13歳の少女アンネ・フランクは、父親から贈られた日記帳に思春期の心情や隠れ家での生活の実情を綴り始めた。世界記憶遺産にも認定された『アンネの日記』を、リアルな少女の声を描き出した文学作品として読んでいく。その表現と言葉は、コロナ禍や戦争を目の当たりにした私たちに静かな勇気と確かな希望を与えてくれる。
24 化け之島初恋さがし三つ巴3
石川 宏千花 著 講談社 全3冊
淡島三津は生きづらさを抱えた高校生。神と妖怪と人間が混在して暮らす場家之島の秩序を守るため、心の中の二つの死角を手放さず島に残ることを選んだ。島での独特な暮らしや学校にも慣れてきたある日、地滑りや川の氾濫、感染症など島中で天変地異が起きはじめる。これまでは良好な関係にあった《界》たちが関わっているようなのだが…。激動の完結編
25 生命倫理のレッスン ― 人体改造はどこまで許されるのか?
小林 亜津子 著 筑摩書房 全2冊
理想の容姿になるための美容整形、競技の記録を伸ばすためのドーピング、頭を良くするためのスマートドラッグなど、「治療」を超えた医療的介入をエンハンスメントといいます。すでに健康な人体を「よりよく」改造するための医療技術の利用はどこまで許されるのでしょうか。そのような技術が広く用いられるようになると、この社会はどうなるのでしょうか。7人の中高生たちの対話を通して生命倫理について考えていきます。
26 恋愛問題は止まらない
吉野 万理子 著 小学館 全3冊
「野球部員は、来週までに髪を丸刈りにしろ」と監督が指令を出したという噂が東郊中学に流れた。理由は恋愛がらみらしい。みんなのあこがれのキャプテンが丸刈りなんて、許せない!エースで四番の彼にあこがれる同級生、ひそかに付き合っていると噂の彼女、部活の後輩や彼らに関わる大人たち、それぞれの視点から恋愛模様が語られていく。みんなの恋の行方は、どうなるのか?
27 ぼくとキキとアトリエで
中川 洋典 著 文研出版 全1冊
小学三年生の稜は、勉強はそんなに好きじゃないしスポーツも今ひとつだけど、絵を描くのが大好き。毎週水曜日、高架下の古い商店街の中にあるアトリエへ通っている。年少さんから小学六年生までの子どもに絵を教えているキキ先生は、傑作を描いたり作ったりすると「すてきっ!」と叫んでハグしてくれる。絵を描くのが好きな人が集まってくる、そんな大切なアトリエキキがなくなっちゃう!?
28 ゆうえんちのわたあめちゃん
ゴッデン ルーマー 著 徳間書店 全1冊
人形のわたあめちゃんは、移動遊園地にある屋台のお店「ココナッツあて」の、幸せのおまもりです。犬のココと、オルゴールの馬のナッツに乗ったわたあめちゃんが店先でお客さんをむかえるので、ジャックのお店は大はんじょう。お祭りのある町から町へ、みんなで旅をしてくらしています。ところがある日、遊園地にわがままな女の子がやって来て…。
29 心療内科とは何か
渡辺 徹也 著 幻冬舎メディアコンサルティング 全3冊
医療の専門化細分化が加速する中で、診療難民にならないために、心療内科の成り立ちから対象とすべき疾患の具体例、疾患の分類と見分け方を解説する。
30 道 ― 天皇陛下御即位三十年記念記録集(平成21年~平成31年)
宮内庁 編 NHK出版 全11冊
平成21年から平成31年2月まで、天皇皇后両陛下が式典で述べられたお言葉や御歌などを項目別に収録。平成最後の10年間の両陛下の道のりをたどれるお言葉集。
31 交通安全白書(概要版)令和5年版
内閣府政策統括官(政策調整担当)編 全1冊
32 犯罪被害者白書(概要版)令和5年版
国家公安委員会、警察庁 編 全1冊
テキストデイジー図書
1 乳酸菌と食物繊維が腸を壊す
宇野 良治 著 宝島社
過敏性腸症候群(IBS)の原因は乳酸菌や食物繊維だった。自身もIBSを患い、同じ悩みを抱える患者を診る医師が、そのメカニズムと改善方法をわかりやすく解説する。善玉菌を減らすレシピ、体質診断チェックシートも掲載。
2 夢をつかむ力
松本 杏奈 著 KADOKAWA
お金無し、味方無し、英語力無しでも、発想と行動力で未来は変えられる! 徳島生まれ徳島育ち、長年問題児と呼ばれ続けた女子高生が、逆境を乗り越え、スタンフォード大学に合格するまでの道のりと、勉強に向かう姿勢を語る。
3 「家飲みビール」はなぜ美味しくなったのか?
坂田 薫 著 ワニブックス
「家飲みビール」はなぜ美味しくなったのか? 未来の日本のクルマは木から作るようになる? 画期的がん治療の主役は「液体のり」!? 日本の最先端の研究の内容や研究者の言葉を、わかりやすく紹介する。
4 Seven Stories 星が流れた夜の車窓から
糸井重里,三浦しをん他 著 文藝春秋
退職を機に妻を豪華旅行に誘う夫。でも、妻には秘密の人生設計が・・・。豪華寝台列車「ななつ星」を舞台に、7人の作家・クリエーターが極上のストーリーを綴る。『オール讀物』掲載に書下ろしを加えて書籍化。
編集後記
今号もお読みいただき、ありがとうございました。
春ですね。一年の中でも、一番ウキウキする季節ではないでしょうか。
皆さん、お花見はしましたか? 僕は二回行きました。
「花よりだんご」とはよくいいますが、「花よりビール」とか「花より日本酒」とかグーグルにいれて検索したら、いろいろと出てきますね。僕と同じこと考えてる人がいっぱいいるんだな、って(笑)。
ジャズのスタンダードナンバーでも「パリの四月」とか「スプリング・イズ・ヒア」とか春の名曲がたくさんありますが、毎年これらの曲を聴きながら、ビールを飲む夜が楽しみです。「赤いスイートピー」も春の歌ですね。
皆さん、おすすめの春ソングなんかも教えてほしいなあ。今回もたくさんの投稿をご紹介できましたが、引き続き皆さまからのお便り、お待ちしています!
「情報センターだより」211号
発行日 令和7年4月25日
発 行 山形県視覚障がい者情報センター
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